AEO対策とは何か
AEOは、Answer Engine Optimizationの略です。日本語では回答エンジン最適化と訳されます。質問に答えを返す仕組みに、自社の情報を引用してもらうための取り組みを指します。
対象として挙がるのは、Google検索のAI OverviewとAIモード、ChatGPTやPerplexityのような対話型のAIです。
SEOとの違いは、目指す場所にあります。SEOは、検索結果の一覧で上位に表示されることを目指します。AEOは、AIが作る回答の中で引用されることを目指します。ただし、SEOの置き換えではありません。その理由は、第4章でGoogleの資料に照らして確かめます。
AEO・GEO・LLMO・AIO、呼び方が会社ごとに違う
AEOと並んで、GEO、LLMO、AIOという語も使われます。
- GEO:Generative Engine Optimization(生成エンジン最適化)
- LLMO:Large Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)
- AIO:Artificial Intelligence Optimization(AI最適化)
この4つの関係は、一通りに決まっていません。使われ方は、おおむね次の4つに分かれます。
- AIOをいちばん広い範囲とし、LLMOは範囲が狭いとする置き方
- AIOを上に置き、AEOを書き方、LLMOを技術的な実装に割り当てる置き方
- 4つをほぼ同じ施策として、1つの語でまとめて呼ぶ置き方
- AEOに、強調スニペットや音声検索まで含める置き方
食い違う理由として、2つが考えられます。
1つは、語が指す範囲の取り方の違いです。質問に直接答える機能全般を指すのか、生成AI全般か、大規模言語モデルか。取り方によって、同じ語でも広さが変わります。AIOは、Google検索のAI Overviewを指す略として使われることもあります。
もう1つは、この4つの語が、支援サービスの名前としても使われていることです。どの語を採るかは、サービスの範囲をどう見せるかと結びつきやすくなります。
どの呼び方が正しいかを、読む側が決める必要はありません。呼び方ではなく、施策の中身で見ます。
よく挙がる施策と、いま言われる理由
AEO対策として挙がる施策は、おおむね次のとおりです。
- 見出しを問いの形にし、直後に結論を置く
- よくある質問を設け、構造化データを付ける
- 著者の経歴と、会社の情報を整える
- 一次情報や独自のデータを載せる
- 構造化データ(JSON-LD)を実装する
- llms.txtのような、AI向けのファイルを置く
- XMLサイトマップを最新に保つ
これらが言われる背景には、AIの回答で調べごとが終わり、上位にいてもクリックが返ってこない検索が増えたことがあります。この変化は、コンテンツSEOの記事で扱いました。
AIの回答に引用されれば、読まれる機会を取り戻せる。AEO対策が勧められるのは、この理由からです。ただ、並んだ施策をすべて同じ重さで扱うべきかは、別に確かめる必要があります。
施策を、Googleの公式資料で3つに仕分ける
SEO対策の記事で、GoogleがAI OverviewとAIモードについて、表示されるための追加の技術要件はなく、特別な最適化も必要ないとしている、と書きました。
同じ資料(Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)は、その先も書いています。表示されるために必要なのは、ページがインデックスに登録されていること、スニペットを表示できること、Google検索の技術的な要件を満たしていることの3つです。これ以外に追加の技術要件はない、としています。
2026年7月に更新された別の資料(「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」)は、これに加えて、Search Consoleの「検索の生成 AI 設定」でサイトが含まれている必要がある、としています。この設定は、何もしなければ含まれる状態です。除外を選んでいなければ、何かを足す必要はありません。
同じ資料は、生成AI検索向けの書き方をする必要はなく、AIが理解できるようにコンテンツを細かく分ける必要もない、としています。
「AI 機能とウェブサイト」は、そのうえで、AI機能に表示されるために、AI向けのテキストファイルや新しいマークアップを作る必要はない、と明記しています。特別なschema.orgの構造化データを追加する必要もない、としています。
この資料と、資料がリンクしている有用なコンテンツの作り方の資料に照らすと、前の章の施策は3つに分かれます。
| 仕分け | 施策 | 資料の記述 |
|---|---|---|
| 要件や推奨として書いている | インデックスに登録され、スニペットを表示できる/重要な内容をテキストで置く/内部リンクから見つけられるようにする/構造化データを、表示されている内容と一致させる/著者の名前と経歴を示す/サイトの背景情報を示す(会社やサイトの概要ページなど)/独自の情報や分析を載せる/見出しで内容の構造を示す | 基本的なSEOのベストプラクティスは、AI機能でも有効。AI機能の資料がリンクする有用なコンテンツの資料で、著者の表示・サイトの背景情報・独自の情報が、コンテンツを見直す問いに挙がっている。別の資料は、明確な構造を持つ見出しがあるとユーザーからの評価が高まる、としている |
| 不要と明記している | AI向けのテキストファイル/AIのための特別なマークアップや構造化データ/AIのために書き方を変えること(見出しを問いの形にする、内容を細かく分けるなど) | 作成・追加する必要はない。生成AI検索向けの書き方や、細かく分けることも必要ない(別の資料) |
| 触れていない | よくある質問を置く/XMLサイトマップを最新に保つ/ChatGPTやPerplexityに引用されるための施策 | 2つの資料の本文には出てこない(サイトマップは、Googleの別の資料では扱われている)。2つの資料が扱うのはGoogle検索だけ |
llms.txtは、資料に名前が出てきません。ここでいうAI向けのテキストファイルにあたるものとして、2つ目に入れています。構造化データの実装そのものは、よくある質問に付けるものも含めて、1つ目の「表示されている内容と一致させる」に入れ、AIのために特別に足すものだけを2つ目にしています。なお、よくある質問のリッチリザルトは、Googleの更新履歴によると、2026年5月7日から検索結果に表示されていません。詳しくは第5章で扱います。
著者やサイトの情報をなぜ整えるのか、AIが発信している人や会社をどう見分けるかは、エンティティSEOの記事で扱っています。
2つの資料は、「見出しを問いの形にする」とは明記していません。ただし、AI向けにそのような書き方へ変えることは、「生成 AI 検索向けの書き方をする必要はありません」という説明に当たるため、2つ目に分類しました。読む人が答えを早く見つけられるように見出しで内容の構造を示すことは、1つ目に入ります。進め方は、前の章で紹介したコンテンツSEOの記事の「読み取れる形に置く」で書きました。
よくある質問を置くことは、2つの資料には出てこないので、3つ目です。
3つ目は、不要という意味ではありません。Googleの資料では判断できない、という意味です。ChatGPTやPerplexityに向けた施策も、ここに入れています。どの情報を引用するかは、それぞれのサービスの仕組みによるためです。
資料は、特別な最適化は要らないとしたうえで、SEOの基本を確認し直すことは常に効果がある、と書いています。AI Overviewを狙うなら、まず1つ目を外さないことです。 2つ目は、Google検索のAI機能のためには手間をかけなくてよいものです。
導入で、どれも同じくらい大事そうに見えないか、と書きました。そう見える理由は、ここにあります。SEOの基本(有用なコンテンツの作り方を含む)と、Googleが不要としたものと、2つの資料が触れていないものが、同じ「AEO対策」の名前で並んでいたからです。
2つの資料が触れていないもののうち、ChatGPTとPerplexityについては、運営元が自分で資料を公開しています。資料に何が書かれ、何が書かれていないかは、GEO対策の記事で確かめました。
関連記事GEO対策は、AIの運営元が示す条件の確認から始める
構造化データは、要らないのではない
前の章の表で不要と明記されていたのは、AIのために特別に追加する構造化データです。構造化データそのものが要らない、とは書かれていません。同じ資料は、構造化データをページに表示されているテキストと一致させることを、ベストプラクティスとして挙げています。
構造化データの追加が前提になる機能もあります。Googleの求人検索の機能(しごと検索)です。Googleは、求人情報のページにJobPostingという構造化データを追加すると、求人情報を検索結果の特別な表示に出せるようになる、と説明しています。求人サイトを経由する方法もありますが、自社のページの求人をそのまま出すには、構造化データの追加が前提になります。
構造化データは、AIに見つけてもらうための特別な仕掛けとして足すものではありません。ページに書いてある内容を、機械が読める形でも渡すものです。AI機能の資料が求めているのも、表示している内容と一致させることでした。
必須の5つと、求人の掲載を終える3つの方法は、JobPostingの記事で扱っています。
関連記事JobPostingの構造化データは、求人の掲載を終えるときの扱いから決める
第4章で挙げた別の資料も、構造化データを使い続けることを勧めています。生成AI検索には必須ではないが、検索結果での見え方を変えるリッチリザルトのために、としています。この資料が何をしなくてよいとし、何を勧めているかは、AI SEOの記事で扱っています。
関連記事AI SEOは、Googleが「しなくてよい」と書いたことから確かめる
何で測るか、何では分からないか
AI Overviewの影響は、クリックされにくくなる形で現れます。検索結果の一覧での位置が変わらなくても起きるため、順位だけでは分かりません。
外部のツールが示すサイトの推定トラフィックも、多くは順位と検索数から計算されています。クリックされにくくなった分は、この計算に入りにくい数字です。
第7章で紹介する子育て情報サイトの推定トラフィック(ツールの推定値)は、期間全体で下がっていました。ただ、減り始めた時期は、AI Overviewが日本語で始まった2024年8月とも、AIモードが日本語で始まった2025年9月とも重なっていません。もともとAIの影響が入りにくい数字なので、この推移からは、AIの影響で減ったとも、影響がないとも言えません。
自社のサイトで確かめるなら、Search Consoleで、順位だけでなく、表示回数とクリック数の動きを合わせて見ます。Search Consoleのヘルプによると、AI Overviewは検索結果の中で1つの掲載順位を持ち、中のリンクにはすべて同じ掲載順位が割り当てられます。AI Overviewに引用されたページには、AI Overviewの位置が順位として記録される、ということです。引用されただけで、順位の数字が上がって見えることがあります。それでもクリックが増えるとは限りません。クリック数と合わせて見るのは、そのためです。
AI OverviewとAIモードでの表示回数だけなら、Search Consoleの「生成 AI パフォーマンス レポート」で見られます。ただし、見られるのは表示回数までです。AI Overviewの分だけを分けて見る方法は、Googleの資料には書かれていません。
もう1つ、上位にいても、AI Overviewに載るとは限りません。同じサイトの検索データ(ツールの推定値)では、上位にいてもAI Overviewに載っていない検索が少なくありませんでした。反対に、順位がないのにAI Overviewにだけ載っている検索もありました。上位にいる検索ほど載っている傾向はあっても、上位にいれば載るわけではありません。
AI Overviewに載らないときや、レポートが表示されないときに確かめることは、AI Overview対策の記事で扱っています。
関連記事AI Overview対策は、自社が出ているかを確かめる
情報を発信する側から見たAI Overview
私が話を聞いた、子育て情報を発信しているサイトの運営者は、最近はAI Overviewで調べごとが済んでしまうケースが増えているのではないか、と話していました。
そのサイトの検索データ(ツールの推定値)を見ると、育児の悩みや子どもの健康、妊娠に関する検索では、AI Overviewが出ていることが多くありました。一方、特定の名前で調べる検索では、少ない傾向でした。Googleは「AI による概要」について、通常の検索結果より付加価値があるとシステムが判断した場合にだけ表示される、としています。知識や悩みを調べる検索ほど、AI Overviewが出ている形です。
運営者は、別のことも話していました。AIが不確かな情報を出す可能性があるので、自分たちがしっかり発信して、トラフィック自体を増やさなければいけない。子育ての情報を扱っているので、間違った情報が広がることを心配している、と。
健康や子育ては、情報の間違いが人に影響しやすい話題です。このサイトでAI Overviewが多く出ていたのは、まさにこうした検索でした。
AI Overviewを狙う価値は、クリックを取り戻すことだけではありません。 AIが答えを作るとき、正しい情報の出どころがそこにあること。引用されたとき、その出どころが自社のページであること。そのために先に整えるのは、第4章の1つ目、資料が要件や推奨として書いているものです。
第4章の仕分けを、ChatGPTとPerplexityの運営元の資料まで広げた全体像は、LLMOの記事で整理しています。
関連記事LLMOとは?SEOとの違いと、AI検索に向けて整えること
ARROWSのAI検索対策
引用されたとき、その出どころが自社のページであること。そのためにページに示しておく情報として、第4章の1つ目には、著者の名前と経歴や、会社やサイトの概要ページのような背景情報が入っていました。ARROWSのAI検索対策では、ページに載っているこうした情報を、ページの種類ごとに構造化データでも示します。会社概要のページなら、会社名・所在地・連絡先・代表者・公式のSNS。代表やメンバーのページなら、氏名・役職・経歴・資格と、所属する会社です。AIのために特別に足すものではなく、第5章の「表示している内容と一致させる」側の作業です。
そのため、構造化データに書く値はページに載せている内容をもとにし、食い違うものは入れません。組み込んだあとは、検証ツールで正しく書けているかを確かめてから公開します。
一致は、公開した日に整えれば終わり、というものではありません。ページを直したのに、構造化データにだけ古い情報が残ることがあるからです。そこで、タイトルや更新日などを直すと、構造化データも追って変わる仕組みを入れます。
AI Overviewに引用されるかどうかまでは、お約束できません。その後の動きは、第6章で見た表示回数とクリック数で追っていけます。
まとめ
AEO対策として並ぶ施策は、Googleの公式資料に照らすと3つに分かれます。資料が要件や推奨として書いているもの。不要と明記しているもの。触れていないもの。
AI向けのテキストファイルや、AIのための特別な構造化データは、Google検索のAI機能については不要と明記されています。構造化データそのものは不要ではありません。表示している内容と一致させることが推奨され、求人検索のように追加が前提になる機能もあります。AIのためだけに書き方を変えることも、必要ないとされています。ChatGPTなどほかのAIに向けた施策は、Googleの資料では判断できません。
影響を確かめるときは、順位や推定の数字だけでなく、Search Consoleで表示回数とクリック数を見ます。上位にいても、AI Overviewに載るとは限りません。
AI Overviewは狙う価値があります。狙うなら、まず1つ目を外さないことです。 Google検索のAI機能に向けた対策は、呼び方がAEOでもGEOでも、1つ目のSEOの基本を確かめ直すところから始まります。




