キーワード選定とは、どの検索で戦うかを決めること
キーワード選定は、記事に入れるキーワードを決める作業だと思われがちです。実際にやっているのは、それより手前のことです。どの検索の画面に自分のページを並べにいくかを決めています。
同じテーマでも、狙うキーワードが変われば結果は変わります。「ホームページ 制作」と「ホームページ 制作 費用」は、地続きに見えますが、検索している人の状態が違います。前者はまだ探し始めた段階で、後者は予算を考え始めた段階です。並んでいる記事も、それぞれ違う顔ぶれになります。
だから順番として、キーワード選定は執筆の前に来ます。書いてから「この記事はどのキーワードで狙おうか」と考えると、どの検索にも半分ずつ寄った記事になりやすくなります。そして、狙いを外した記事は、あとからキーワードだけ差し替えても直りません。
キーワードを選ぶことは、読者を選ぶことでもあります。選んだ瞬間に、その記事を読む人がだいたい決まります。
手順は6つに分かれる
手順そのものに、特別なものはありません。私も次の順番でやっています。
- 軸になるキーワードを決める。自社の商品・サービスの名前ではなく、買い手がその困りごとを何と呼んでいるかを1つか2つ入れる。たとえば自社が「コンテンツマーケティング支援」と呼んでいるサービスでも、買い手は「ホームページ 問い合わせ 増やす」と打っているかもしれない。入れるのは後者のほう。ここで入れたキーワードが、あとに並ぶ候補の幅を決める(理由と確かめ方は第7章)
- 関連するキーワードを洗い出す。ツールとサジェスト(検索窓の予測表示)、検索結果の下にある「他のキーワード」から集める。ここは数を出す段階なので、判断しない
- 意味の近いものをまとめる。表記違い、語順違い、言い換えを1つにする。調べたいことが同じもの(同じ検索意図のもの)は、この時点で束ねる
- 検索数を見る。候補がどれくらい探されているのかを確かめる
- 絞る。ここが本題
- 順番をつける。どれから書くかを決める
2から4までは、作業としてはほとんどツールでできます。実際、洗い出しと整理は数秒で終わります。手が止まるのは1つ目と5つ目です。5つ目では、候補が数百、数千と並んだ表を前にしても、どれを書くかは表の中に書かれていません。そして1つ目では、その表に何が並ぶかが、自分が入れたキーワードで決まります。
ただし、1と2はつながっています。2の洗い出しは、1で入れたキーワードをもとに広がります。ツールはそのまわりを網羅してくれますが、もとになるキーワードは自分が入れています。ツールが推定で広げてくれるのは、自分が入れた言い方のまわりだけです。競合のサイトから広げる道もありますが、そのサイトを選んでいるのも自分です。
では、自分が知らない言い方はどこから取るのか。ツールは候補を広げてくれますが、最初に何を入れるかは決めてくれません。そして最初の1つは、一度では決まりません。手元にあるものから1つか2つ入れて洗い出し、並んだ候補の表を持って、問い合わせの一次対応をしている人に15分もらいます(第7章)。そこで出てきた言い方を足して、もう一度洗い出します。すでに公開しているページがあるなら、狙っていないのに表示されているキーワードも使えます。これは推定ではなく、実際に打ち込まれたキーワードです(第9章)。自社の言い方をそのまま入れたときに何が起きるかは、第7章で書きます。
ここで、検索数が小さく難易度が低いものから狙う、という決め方があります。間違ってはいませんが、これだけでは選べません。理由は第5章と第6章に書きます。
初めての1本を決めるなら、次の順で進めます。
- 買い手が困りごとを何と呼んでいるかを、問い合わせの一次対応をしている人に聞く(第7章)
- その言い方を検索窓に入れ、サジェストに出る候補を集める
- 候補を実際に検索し、上から10件を3つの点で見る(第6章)
- 3つとも条件に合うものを1本目にし、なぜ選んだかを1行で残す(記入例は第6章の終わり)
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ツールは、無料で足りるところと足りないところがある
使うツールは、大きく2つに分かれます。
無料で使えるもの。Googleキーワードプランナーで検索数の目安を見ます。Googleトレンドで時期による動きを見ます。サジェストと「他のキーワード」には、実際に打ち込まれている言い回しが出ます。Search Consoleを入れているサイトなら、すでに表示されているキーワードが出ます(入れていなければ、まず登録が要ります)。洗い出しと検索数の確認は、ここで足ります。
有料のもの。競合がどのキーワードで上位にいるか、といった推定値を出します。作業は速くなります。ただし、後で書くとおり、これは推定です。
そして、ツールではありませんが、いちばん強いものがあります。Googleの検索結果そのものです。狙おうとしているキーワードを実際に打ち込んで、上から10件を見ます。これに費用はかかりません。時間だけがかかります。そして、この記事の後半で書くことの多くは、ここを見ないと分かりません。最初に何を入れるかだけは、ここにも出てきません(第7章)。
ツールの話に戻ります。取れるデータの種類は、ツールによって違います。検索数は、Googleのキーワードプランナーの値を土台のひとつにしているものが多くあります。地域を指定した検索数や、新しく生まれたキーワードの検索数は、キーワードプランナーのほうが細かく取れることがあります。難易度は、そのキーワードで上位に出るのがどれくらい難しいかを、各社が独自に点数にしたものです。Googleは出していません。無料で見られるものもありますが、計算の中身は各社で違います。なお、キーワードプランナーに出る「競合性」は広告の入札の話で、この難易度とは別のものです。1つのツールで全部そろうと思っていると、そのツールが取っていないデータは、最初から無いものとして判断することになります。
多くのツールが土台にしているキーワードプランナー自体も、検索数を丸めて幅で出します。画面に出ているその数字が実際の数にどこまで近いのかは、別の記事で扱っています。
キーワードの種類は、選ぶためではなく並べるために使う
キーワードには、よく使われる分け方が2つあります。検索数の大きさで大・中・小に分ける方法と、検索の目的で4つに分ける方法(知りたい、行きたい、やりたい、買いたい)です。
この分け方は、候補を並べて見通しをよくするのに役立ちます。一方で、分け方そのものは選ぶ基準にはなりません。「知りたい」に分類されたキーワードが集客に向かない、ということはありません。逆に「買いたい」に分類されていても、上位に並んでいるのが大手の比較サイトばかりなら、新しいサイトが入る余地はほとんどありません。
私は、ツールが付けた目的のラベルを信用しないことにしています。実際に検索結果を開くと、ラベルと合わないことがよくあるからです。BtoB向けに作った候補表に、この4つの分け方をひととおり当てはめたときは、ツールの判定がほとんど「知りたい」に寄っていました。その中には、広告の入札単価が高いキーワードも混ざっていました。入札単価は、そのキーワードで広告を出すときに1クリックあたり払ってよい上限として入札されている額です。高いということは、そのキーワードに出稿している相手がいる、というところまでです。その相手が誰なのかは、検索結果を開かないと分かりません(第6章)。
分け方は地図です。地図を見て歩く場所を決めるのは、こちらの仕事です。
ツールの数字は推定値。予測はツール自身のものだとGoogleも書いている
私が実務でいちばん多く見る取り違えは、ツールの数字の読み方です。
検索数も難易度も、ツールの画面では確定した事実のように見えます。「月に何回検索されている」「難易度が高い」。ところが、どちらもツールが推定した値です。難易度は各社が独自に計算した点数で(第3章)、検索数もツールによって値が食い違います(この章の後半)。Googleも、外部のツールについて、内部のランキングデータにはアクセスできず、予測はツール自身のものだと書いています。
Googleは、サードパーティのSEOツールとサービスについて、公式のガイダンスを出しています。英語版にはこう書かれています。
Third-party tools don’t have access to our internal ranking data. They can’t guarantee performance. Any predictions are their own and like predictions generally, may not happen.
(Google 検索セントラル「Google Search’s guidance on using third-party SEO tools, services, and advice」・英語版の最終更新2026年6月5日・2026年9月17日参照)
私の訳では「サードパーティのツールは、Googleの内部のランキングデータにアクセスできません。ツールは成果を保証できません。予測はあくまでそのツール自身のものであり、一般に予測がそうであるように、そのとおりになるとは限りません」となります。
日本語版は、この3つの文を2つにまとめています。中身は同じです。
同じページには、次の一文もあります。
Whether you use a third-party tool or not, we strongly encourage using our first-party tool, Google Search Console, which provides you with key information and data directly from Google Search itself.
(同上)
私の訳では「サードパーティのツールを使うかどうかに関係なく、Googleは自社のツールであるSearch Consoleを使うよう強くすすめています。Search Consoleでは、Google検索そのものから直接、主要な情報とデータが手に入ります」となります。
これは、ツールを使うなという話ではありません。同じページは、自分でやる人がツールを使う前提に立っています。ツールについて書いた節は If you're planning to do SEO yourself, you may be considering third-party SEO services and tools から始まります。私の訳では「SEOをご自身で行うつもりなら、サードパーティのSEOサービスやツールを検討することもあるでしょう」です。言っているのは、その数字が予測なのか実測なのかを取り違えるなということです。
実務でも、これは数字の食い違いとして出てきます。同じキーワードの月間検索数を2つのツールで見ると、値が大きく離れることがあります。どちらかが壊れているわけではありません。集め方と丸め方が違うだけです。にもかかわらず、片方の数字だけを見て「このキーワードは小さい」と判断すると、その判断はツールの設計に引きずられます。
数字は、候補を並べる用途には十分です。最後に1本を決める用途には足りません。
決めるのは、検索結果を開いてから
では、何を見て決めるのか。検索結果の顔ぶれです。狙おうとしているキーワードで実際に検索して、上から10件が何のページなのかを見ます。
見るのは、次の3つです。
1つ目。どんな種類のページが並んでいるか。記事なのか、サービスの紹介ページなのか、ツールそのものなのか、動画なのか、公的機関のページなのか。記事が2本しか入っていない検索結果なら、記事で狙える枠は2つです。入るには、その2本のどちらかと入れ替わる必要があります。先に知っておくと、書く前に判断が変わります。
2つ目。並んでいる会社は、自分と同じ立場か。大手だけが並んでいるのか、自分と同じくらいの規模の会社が混ざっているか。自社と近い規模の会社が入っていれば、内容次第で上位を狙える可能性があると判断できます。見分け方は、並んでいるサイトの会社概要を開くことです。
3つ目。その検索をしている人は、何をしたい人か。ここがいちばん効きます。そして、ツールが付けたラベルからは分かりません。
3つ目について、実際にあったことを書きます。
私がARROWSのサイトの計画を作ったとき、検索数が大きく、難易度の指標が低いキーワードがいくつも候補に残りました。数字だけ見れば好条件です。そのうちのいくつかを、検索結果を見て外しました。
- 「SNSマーケティング」。検索数は大きい。検索結果を開くと、上位に求人サイトと専門学校、資格の講座が混ざっていた。発注者よりも、SNSマーケティングの仕事に就きたい人が多い検索だと判断した。私が記事を書いても、読者は来るが、相談は来ない
- 「広告運用」「Web広告運用」。同じ理由。上位が求人と学習の側に寄っていた。運用を頼む人は、このキーワードでは探していない
難易度が低く見えたのは、勝ちやすいからではありませんでした。その検索には発注者が少なく、企業が積極的に取りに来ていなかったと考えるのが自然でした。難易度の指標は低いまま、意図だけがずれている。この状態は、数字の側からは見分けがつきません。
外すと決めた理由は、記録しておくことをおすすめします。次に候補を作り直したとき、同じキーワードがまた並びます。前回なぜ外したのかが残っていないと、同じ検討をもう一度することになります。
逆の取り違えもあります。「競合が上位にいない」を「検索されていない」と読んでしまうことです。私自身、競合が上位にいないことを根拠に、ある領域を「市場がない」として計画から外していました。あとで検索数を実際に測ると、その領域のキーワードは普通に検索されていました。誰も取りに来ていない場所と、誰も探していない場所は、別のものです。
これは、検索結果の側だけを見た失敗です。顔ぶれは「誰が来る検索か」を教えますが、「どれだけ探されているか」は教えません。そこは数字の側の仕事で、両方を別々に確かめないと、この2つは分けられません。
ここまでの3つを、候補が3つ残ったときに当てはめると、次のようになります。自社が「コンテンツマーケティング支援」を売っている場合の仮の例で、実際の検索結果を調べたものではありません。
| 候補 | ① ページの種類 | ② 同じ立場の会社 | ③ 検索している人 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| A ホームページ 問い合わせ 増やす | 記事が6本 | 同じ規模の制作会社が入っている | 問い合わせを増やしたい事業者 | 1本目にする |
| B コンテンツマーケティング とは | 記事が8本 | 大手のメディアだけ | 言葉の意味を調べている人 | ②で外す |
| C Webマーケティング 仕事 | 求人サイトが7件、記事は2本 | 求人サイトと専門学校 | その仕事に就きたい人 | ③で外す |
「3つとも条件に合う」とは、①記事で入れる枠が残っている、②自社と同じくらいの会社が入っている、③探しているのが仕事を頼む側である、の3つがそろった状態です。この例では、Aだけが当てはまります。
残す1行は、たとえば次のように書きます。
1本目は「ホームページ 問い合わせ 増やす」。記事の枠が6つあり、同じ規模の制作会社が入っていて、探しているのは問い合わせを増やしたい事業者。「コンテンツマーケティング とは」は②(上位が大手のメディアだけ)、「Webマーケティング 仕事」は③(仕事に就きたい人の検索)で外した。
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自分たちの言い方は、市場のキーワードとは限らない
もうひとつ、候補の中でいちばん危ないものがあります。自社を説明するときに使っている言い方です。
自分たちの商品やサービスを表す言い方は、ページの中身とぴったり合って見えます。実際、その言い方ほど書く内容と一致するものはありません。ところが検索結果を開くと、上位が用語の解説ページや知恵袋で埋まっていることがあります。商品名に入っているキーワードですら、市場ではほとんど検索されていなかった、ということも起きます。
理由は単純です。自社の言い方は、その概念をすでに知っている人向けの表現になりがちです。一方、課題を抱える買い手が、同じ言い方を知っているとは限りません。買い手は、商品名ではなく、自分の業務や困りごとを表す言葉で検索します。
だから順序として、ぴったり合って見えるものほど先に検索結果を開きます。「これは自社そのものを指すキーワードだから、当然いちばん良い」という感覚は、まだ検証されていない思い込みかもしれません。
確かめ方は、検索結果を開くだけではありません。候補の表を持って、問い合わせの一次対応をしている人に15分もらいます。表を見せながら、「お客さんは、これを何と言って問い合わせてきますか」と聞きます。目的は、表にある候補を確かめることではなく、表に無い言い方を見つけることです。ここで出てきた言い方を新しい軸のキーワードにして、もう一度洗い出します。表にある候補は、ここでは消しません。残すかどうかは、このあと検索数を見て決まります。
書ける枠は、思っているより少ない
洗い出しの段階では、とにかく数を出します。それでよいのですが、出した候補の数と、書ける記事の本数は別物です。
同じ検索意図に置ける記事は、基本的に1本です。2つのキーワードが同じ意図かどうかは、それぞれで検索して上位の顔ぶれを比べると分かります。同じページが多く並んでいれば、同じ意図です。似たキーワードを2本に分けると、どちらが本命か分かりにくくなります。分かりにくくなるのは中身の良し悪しではなく、置き方の問題です(これはGoogleが公式に説明している仕組みではなく、私が実務で置いている前提です)。だから、候補が1,000件あっても、意味の近いものをまとめていくと、記事の枠はその何分の1かに落ちます。
BtoBでは、これがもっと極端になります。発注に近い検索は、業種と業務が絞られるほど数が減ります。業種のキーワードに「中小企業」のような条件を足すと、検索数はさらに落ちます。候補を並べた段階で、書ける記事の本数が見えてしまうことも珍しくありません。言い換えると、BtoBのキーワード選定は、たくさんの中から選ぶ作業ではなく、少ない枠にどの順で入れていくかを決める作業です。
そして、公開後に別の検索意図へ向け直すには、記事の構成から見直す必要があります。書き直すのではなく、作り直すことになります。
ここで効いてくるのが、第6章の見方です。検索結果を開いて、検索意図が違うものを先に外しておく。そうすると、手元に残るのは書く価値のあるものだけになります。数百並んでいた候補は、この段階を通したあとにはずっと少なくなっています。大事なのは、集めた候補を全部さばくことではありません。書く前に、検索意図の違うものを落としておくことです。
そこを通してあれば、残っているのは順番の問題だけです。続けて書ける見通しがあるなら、外すのではなく、順番を決めます。いま書けないものは、時期を待ちます。何を先に書くかは、その話を書ける材料が自分の中にあるか、読んだ人に次に見てもらうページがあるか、事業との距離が近いか、といったところで決めています。ただし、「材料が自分の中にあるか」には、例外が1つあります。検索結果に並んでいる相手が持っている材料が自社に無く、これから取りにいくところから始めるなら、それは順番待ちではなく外します。
順番が決まると、迷う場面が減ります。主要なものを書き終えて手が空いたときに、後ろに回したものから取ればいい。
私は、記事を書くことより、書く前にキーワードを決めるところにノウハウがあると考えています。記事の中身は、公開したあとでも直せます。直せないのは、その1本にどのキーワードを当てたかのほうです。1本ごとに何を確かめてから書くかは、別の記事に書きました。
公開したあとに、選び直す
キーワード選定は、公開したら終わりではありません。ただ、選び直すといっても、何を見て選び直すのかが決まっていなければ動けません。
見るのはSearch Consoleです。自分のページが、実際にどのキーワードで表示され、どれでクリックされているかが分かります。Googleは、Search Consoleが検索そのものから直接データを提供すると書いたうえで、使うことを強くすすめています。
選び直すときに、私が見ているのは次の3つです。
1つ目。狙ったキーワードで表示されているか。表示すらされていないなら、記事の出来より前に、その選び方が合っていない可能性があります。
2つ目。狙っていないキーワードで表示されていないか。ここに拾いものがあります。書いたつもりのないキーワードで表示され、クリックもされているなら、そこに読者が実際に使っているキーワードが出ています。次の記事の候補になりますし、既存の記事に足す形でも取れます。
3つ目。同じキーワードで、自分のページが2つ表示されていないか。これは、自分の記事どうしが同じ検索で競り合っている合図です。どちらか1本を主にして、もう1本はその1本へリンクでつなぐか、別のキーワードで1本作り直します。
順位が付くまでには時間がかかります。公開してすぐ動かないのは普通のことなので、数週間は待ちます。待ったうえで、表示も順位も動かないなら、記事を直すのではなく、キーワードのほうを疑います。記事の質を上げても、その検索に発注する人がいないなら、結果は変わらないからです。キーワードが合っていなかったと分かったら、合うキーワードを選び直して1本作り直します。第8章で書いたとおり、別の検索意図へ向け直すには、記事の構成から見直すことになるからです。
その検索に発注する人がいるかどうかは、並んでいる相手を見ると分かります。誰と比べることになるのか、どの条件で外すのかは、別の記事に書きました。
関連記事SEOの競合分析で決めるのは、誰と比べるかと、どのキーワードの記事化を見送るか
ARROWSのSEOコンサルティング
数字だけでは、どれを書くか決めきれない。ARROWSのSEOコンサルティングは、そうしたときに頼める支援です。候補ごとに検索結果の上位10件を開き、顔ぶれを見てから、狙うか外すかを決めます。第6章の1つ目と同じく、上位にどんな種類のページが並んでいるかを見て、すでにあるページと狙いが重ならないか(第9章の3つ目)も確かめます。検索結果にAIによる要約が出るキーワードでは、その引用元も見ます。
単発の初期設計では、調べたキーワードごとに、狙うかどうかと、その判断の理由を書いた判定表をお渡しします。第6章で、外すと決めた理由は記録しておくことをすすめましたが、その記録にあたるものです。あわせて、書く順番を問い合わせに近いキーワードから並べた記事計画もお渡しします。第8章の、残った候補に順番をつける作業にあたります。
続けて頼む場合は、マーケティングコンサルティングの一環として、効果を測った結果をもとに、次に書く記事と順番を決め直します。第9章の、公開したあとの選び直しにあたります。
まとめ
キーワード選定の手順に、秘密はありません。軸を決めて、洗い出して、まとめて、検索数を見て、絞って、順番をつける。
違いが出るのは、最初と最後の2か所です。最初の軸は買い手が使う言い方から見つけ、最後の候補は検索結果を見て決めます。どちらも、ツールの数字だけでは決められません。
- 数字は予測。候補を並べるには十分で、最後の1本を決めるには足りない
- 検索結果を開いて、顔ぶれを見る。ツールの表からは、これが出てこない
- 競争が起きていない理由を疑う。発注する人がいない検索は、難易度の数字が低いまま残る
- 最初に入れるキーワードで、並ぶ候補の幅が決まる。自社の言い方は市場のキーワードとは限らないので、買い手がその困りごとを何と呼んでいるかから取る
- 枠は少ないと考えて配る。1つの意図に1本。BtoBではとくに限られる
- 先に検索意図で絞ってあれば、残りは順番の問題になる。外すのではなく、いつ書くかを決める。材料をこれから取りにいく場合だけ外す
- 公開後はSearch Consoleで選び直す。動かないときは、記事ではなくキーワードを疑う
ここまでの作業のうち、ツールに任せられるのは、洗い出しと整理、それに検索数を見るところだけです。最初に何を入れるかと、最後にどれを選ぶかは、ツールの外にあります。
最後の1本を決める材料は、有料のツールの中ではなく、誰でも開ける検索結果の10件の中にあります。どんな種類のページが並んでいるか。自分と同じ立場の会社がいるか。その検索をしているのは、何をしたい人か。選ぶときはこの3つを毎回見る。最初のキーワードは買い手の言い方を1つ聞きに行く。この確認手順を決めておけば、候補表の前で迷いにくくなります。




