内部リンクとは、同じサイトの中でページどうしをつなぐリンク
内部リンクは、同じサイトの中でページとページをつなぐリンクです。他のサイトへ向かうものは外部リンク、他のサイトから自分のサイトへ向かうものは被リンクと呼びます。呼び名が3つに分かれるのは、リンクの向きと対象が違うからです。
Googleは、SEOスターターガイドの中で、毎日見つけている新しいページの大半はリンクをたどって見つけたものだと書いています。2026年9月18日に英語版で確認しました。新しく書いた記事は、どこからもリンクされていなければ、見つけてもらうのが遅くなります。
内部リンクの役割は、3つに分けると整理しやすくなります。
- 見つけてもらう。リンクは、検索エンジンがページを巡回する経路になる
- 重要さを伝える。どのページへリンクを集めているかは、サイトの中での位置づけを示す手がかりになる
- 読者を動かす。関連する記事へ移れる
3つ目は、検索結果の順位とは直接つながりません。それでも、リンクの貼り方が偏ると、読者の動線も偏ります。第7章で、実際の画面を見ます。
内部リンクの設計は、サイト全体のSEOの一部です。SEO対策の全体像と、施策が決まる順番は別の記事で整理しています。
自分で貼るリンクと、仕組みが出すリンクは別のもの
内部リンクを数えるときは、最初に2つに分けます。自分で貼ったリンクと、仕組みが出しているリンクです。
自分で貼るのは、本文の中のリンクです。文章を書きながら、ここで読者を別の記事へ送ったほうがいいと判断したところに置きます。
仕組みが出すのは、記事の下に並ぶ関連記事、どのページにも出るメニュー、パンくず、カテゴリの一覧などです。これらはテンプレートが出しているので、記事を1本追加すれば自動的に増えます。
見た目では区別がつきません。読者から見れば、どちらも同じリンクです。ただし、数えるときは分けておかないと、意味のある数字になりません。仕組みが出すリンクを混ぜて数えると、どのページも同じような本数になり、本文で作ったリンクの偏りが見えなくなります。
第1章で紹介したSEO対策の記事では、施策を並べたときに、内部リンクを「サイトを作るときに決まる」ものに入れていました。そこで指しているのは、仕組みが出すほうのリンクです。
この記事でこれから出す数字は、すべて本文の中のリンクを数えたものです。記事の下の関連記事は含めていません。ただし、その関連記事に何が並ぶかは、サイトの作りによって違います。このサイトでは本文のリンクで決まります。この話は第7章で別に扱います。
何本まで貼ってよいのか
内部リンクの本数に、上限は決まっていません。
目安として、1記事あたり3本から7本という数字を使っています。リンクが少なすぎると、その記事はサイトの中で孤立します。多すぎると、どのリンクを主に見てほしいのかが読者にも伝わりにくくなります。ただしこれは目安であって、8本になったら罰則がある、というものではありません。
この「何本まで」という疑問には、ややこしい事情があります。SEOスターターガイドの日本語版に、こう書かれているためです。
ただ、リンクの数が多すぎると感じる場合、実際にそうである可能性が高いと言えます。
読むと、リンクの本数に上限があるように見えます。ところがこの一文は、英語の原文では見出しの数の話です。この一文が入っている節の見出し自体が「見出しの数や順序」で、リンクの本数のことは書かれていません(英語版・日本語版とも2026年9月18日に確認しました)。
つまり、このスターターガイドの英語版は、リンクの本数について書いたものではありません。日本語版で、見出しの話がリンクの話に変わっています。
ただし、Googleがリンクの本数に触れていないわけではありません。リンクのベストプラクティスという別の資料の日本語版には、こう書かれています。
1 ページあたりに含まれるリンクの数に関して、理想的な値というものはありません。ただ、リンクの数が多すぎると感じる場合、実際にそうである可能性が高いと言えます。
後半の一文は、スターターガイドの日本語版に紛れ込んでいる一文と一字一句同じです。英語版も同じ趣旨で、こちらはリンクについて書かれています(どちらの資料も、英語版・日本語版とも2026年9月22日に確認しました)。
数字の上限は、どちらの資料にもありません。
この資料の読み方と、英語版と日本語版の訳の違いは、別の記事にまとめています。
関連記事SEO対策は自分でどこまでできるか。作業の前に決めることがある
本数で迷ったときは、数を先に決めないほうが早く判断できます。その段落で、本当に読者を別の記事へ送る必要があるかを1本ずつ見て、必要なものだけ残す。結果として3本になることも7本になることもあります。
リンクの向きは、サイトの作りで決まる
内部リンクの説明でよく出てくるのが、まとめ記事と個別記事の関係です。1つのテーマについて全体を扱うまとめ記事を置き、個別の記事からそのまとめ記事へリンクを集める形です。自分のサイトにまとめ記事があるかどうかは、そのテーマの記事からリンクが集まっている先が1つあるかで見分けます。まだ内部リンクを意識して貼っていないなら、リンクでは見分けられません。その場合は、そのテーマの全体を扱っている記事を、まとめ記事とみなして構いません。
このとき、どちら向きのリンクを主にするかは、サイトによって変わります。次の2つの問いで判断できます。
1つ目。他のサイトからのリンクが、どのページに入っているか。
すでに知られている会社のサイトなら、他のサイトからのリンクはトップページに集まります。この場合は、トップページから個別の記事へリンクをたどれるようにして、トップページに集まった評価を下へ渡す形が自然です(ここでいう上と下は、トップページと個別の記事の階層のことです)。下から上へのリンクは、パンくずやナビが自動で貼ってくれます。
新しく始めたサイトや、記事で集めているサイトでは、記事を読んで張られたリンクは、個別の記事に散らばって入ります。記事から入った評価はトップページには集まらないので、下から上へのリンクを本文で作る必要があります。
他のサイトからのリンクがどのページに入っているかは、Search Consoleの「リンク」で見られます。
2つ目。まとめページが、メニューやパンくずから行ける場所にあるか。
まとめがカテゴリページなら、カテゴリの記事一覧が下向きのリンクを自動で作ります。上から下も、下から上も、本文で意識しなくても行き来ができます。
まとめが記事なら、その記事に集まる個別記事の一覧は自動では作られません。本文にリンクを書かなければ、上から下への経路はどこにもできません。
自分のサイトがどちらかは、まとめにあたるページがメニューやパンくずに出ているかを見れば分かります。出ていれば前者、本文のリンクからしか行けなければ後者です。
この記事を載せているサイトには、他のサイトからのリンクがまだほとんどありません。1つ目の問いには、まだ実物で答えられないということです。そこで、どのページに入っても評価が回るように、下から上へのリンクも本文で作っています。まとめは記事の形で書いているので、2つ目の問いは後者です。つまり、どちらの向きも本文で作らなければ存在しません。
ここまでが設計の話です。次からは、その設計が実際にどうなったかを数えた記録です。
公開24記事のリンクを数えた
公開している24記事について、本文の中のリンクを全部書き出して数えました(2026年9月22日5時13分の時点。断りのない数字は、すべてこの時点のものです)。
| 数えたもの | 結果 |
|---|---|
| リンクの総数 | 103本 |
| 1記事あたり、本文から出ているリンク | 平均4.3本(最小2・最大7) |
| 行きと帰りの両方が通っているもの(両方向) | 70本(35組)・68% |
| どこからもリンクされていない記事 | なし |
数えたあとで、合っているかどうかを確かめました。各記事から出ているリンクの合計と、各記事が受けているリンクの合計は、どちらも103本で一致します。ただし、どちらも同じ一覧から数えているので、この一致だけでは数え落としまでは分かりません。
分かったことを4つ挙げます。
1つ目。どこからもリンクされていない記事はありませんでした。 新しい記事を公開するたびに、既存の記事のどれかへ、その記事へのリンクを1本足しているためです。
2つ目。このサイトでは、新しい記事ほど受けているリンクが少なくなっていました。 直近に公開した記事が受けているリンクは1本、その前の記事は2本でした。これは異常ではありません。受けるリンクは、あとから書かれる記事によって増えるものだからです。公開直後に少ないことを問題として扱うと、あとから公開した記事ほど出来が悪いことになってしまいます。
3つ目。別のテーマへまたぐリンクは、103本のうち29本でした。 残りは同じテーマの中で閉じています。22記事を公開していた2026年9月18日の時点でも、またぐリンクは29本でした。その日のうちに2記事を公開して24記事になっても、29本のままです。22記事から24記事に増えたあいだ、またぐリンクの本数は増えていません。
4つ目。多くリンクを受けているのは、まとめ記事だけではありませんでした。 いちばん多く受けているのはSEO対策のまとめ記事ですが、2番目に多いのは、まとめ記事ではない個別記事です。会社名や商品名のように、名前がついた対象をどう一意に特定するかを扱った記事です。どのテーマからも参照しやすいため、リンクが集まっています。
片方向は記事を書くたびに増え、両方向には手が要る
数えてみて、いちばんはっきり差が出たのがここです。
SEO対策のまとめ記事は、13記事からリンクを受けていて、返しているのは6記事でした。返していない相手は7記事です。
一方で、ブランディングのまとめ記事は、4記事からリンクを受けて、4記事に返しています。こちらは両方向が全部そろっています。
2つのまとめ記事で、何が違うのか。違いは、書いた人の丁寧さではありません。そのテーマの記事が、まだ増えているかどうかだと見ています。
ブランディングのほうは、5記事を書いた時点でひとまとまりになっていて、そこから増えていません。だから書いたときの形がそのまま残っています。
SEO対策のほうは、まとめ記事を含めて10記事に増えました。受けているリンク13本には、別のテーマの記事から貼られたリンクも含まれます(第5章の「またぐリンク」です)。記事を1つ公開するたびに、新しい記事からまとめ記事へのリンクが1本増えます。このリンクは記事を書きながら貼れるので、記事が増えるたびに増えていきます。逆向きのリンクを増やすには、まとめ記事を開いて、新しい記事に触れる文章を書き足す必要があります。こちらは別の作業です。
片方向のリンクは記事を書くたびに増え、両方向にするには手が要る。 返す作業をしないまま記事が増えると、この差は開きます。実際に比べてみます。2026年9月18日に22記事を公開していた時点と、その日のうちに2記事を公開して24記事になった時点です。まとめ記事が受けているリンクは11本から13本に増え、返している数は6本のまま変わっていません。返していない相手は5記事から7記事に増えました。
サイト全体で見ると、両方向がそろっているリンクの割合は71%から69%に下がり、9月22日には68%になりました。68%になったのは、両方向が70本のまま変わらず、片方向が1本増えたからです。数字だけを見ると悪くなったように見えますが、割合が下がること自体は、リンクの増え方から来ています。新しい記事は公開のときに既存の記事へリンクを送りますが、受けた側が返すのは後日になるからです。
問題は、割合が下がったことではありません。返す作業を、いつやるかが決まっていないことです。 既存の記事を直すついでに、返すリンクも書き足す、というやり方もあります。この記事を書いている時点でも、いつやるかは決めていません。記事を書く工程には「既存の記事のどれかに、新しい記事へのリンクを1本足す」が入っていますが、「リンクを受けた側が、その記事へ返す」は入っていないからです。
偏りは、読者の画面に出る
ここまでは、リンクの本数と向きを数字で見てきました。では、読者の画面ではどう見えるのか。
このサイトでは、記事の下に関連記事が3件出ます。この3件は、手で選んだものでも、単純な新着順でもありません。本文のリンクをもとに、両方向がそろっている相手を先に並べ、次に片方向の相手を新しい順に並べる仕組みです。公開している24記事の画面は、すべてこの順でした(2026年9月22日12時台)。3件に足りないときは同じカテゴリから補う決まりですが、この24記事では一度も起きていません。
実際の画面を見ました(2026年9月18日時点。見たのは2ページです)。
SEO対策のまとめ記事の下に並んでいたのは3記事で、3記事とも、両方向がそろっている記事でした。 返していない7記事は、どれも出ていません。
新しい記事の側から見ると、逆になります。直近に公開した記事の下には、SEO対策のまとめ記事が並んでいました。新しい記事からまとめ記事へは、リンクを送っているからです。
つまり、この関連記事欄では、新しい記事からまとめ記事へはたどれますが、まとめ記事から新しい記事へはたどれません。 リンクの偏りが、読者の動線の一方通行として画面に出ています。
もう1つ、見て分かったことがあります。まとめ記事が返している相手は6記事ありますが、画面に出ていたのはそのうち3記事だけでした。 枠が3件しかないので、6記事全部は出ません。出ていたのは新しい3記事で、古いほうから押し出されていました(2026年9月22日12時台に公開24記事を確かめた時点)。返していれば必ず画面に出る、というわけでもありません。
枠が3件なのは設計です。故障ではありません。ただ、返したから読者に届く、とは限らないことは、数える前には見えていませんでした。
この記事を公開した翌日(2026年9月23日)、まとめ記事を書き直すついでに、返していなかった2記事へリンクを書き足しました。この記事へのリンクは公開のときに足しているので、9月24日の時点で、まとめ記事はこの記事を含む14記事から受けて9記事に返しています。まとめ記事の下の3件は、この3記事に入れ替わりました。
ARROWSのSEOコンサルティング
第7章のとおり、このサイトでも、数えてみて初めて、返していないリンクに手が付きました。ARROWSのSEOコンサルティングでは、記事どうしのつながりを、書く前の設計で扱います。まとめ記事と個別の記事をどうつなぐかまで、図にしてお渡しします。
続けてお任せいただく場合は、マーケティングコンサルティングとして、記事が増えたあとの点検まで担います。第5章のように数えて初めて見える内部リンクの偏りを確かめ、記事の関連性に合わせて、リンクの配置を見直します。
まとめ
この記事の前半では、内部リンクをどこに貼るか、何本にするか、どの向きで貼るかを整理しました。ここまでは、貼る前に決められることです。
差が出るのは、貼ったあとです。
- 片方向のリンクは、新しい記事を書く工程の中で増える
- 両方向にするには、受けた側の本文を開いて書き足す作業が要る
- この2つは増える速さが違うので、返す作業をしないまま記事が増えると差が開く
- 偏りは1ページの画面にも出るが、全体でどれだけ差が開いているかは数えるまで分からない
公開している24記事を数えて、各記事が受けているリンクの数と、返しているリンクの数がどれだけずれているかが初めて見えました。実際のリンク数は、設計図ではなく、公開後の記事にしか表れません。
数えるのは、難しい作業ではありません。記事の編集画面を1つずつ開いて、本文の中のリンク先を書き出します。表計算ソフトに「どの記事から」「どの記事へ」の2列で並べれば、各記事から出ている数と、各記事が受けている数を、その場で数えられます。
内部リンクをどこに何本貼るかを考えるより先に、いま自分のサイトに何本あるかを数えたほうが、次に何をすればいいかが早く決まります。全部を数えるのが大変なら、今週書く記事と同じテーマの記事だけでも構いません。このサイトでも、リンクの7割は同じテーマの中で閉じていました。




