BtoBマーケティングとは
BtoBは、Business to Businessの略で、会社どうしの取引を指します。BtoBマーケティングは、会社を相手に商品やサービスを売る会社が、見込み客を集め、記録し、いまは買わない相手とも連絡を続け、話を聞きたいと言った相手を営業につなぐまでの流れをつくる取り組みです。部品の加工を請け負う会社も、業務用の機械を売る会社も、会社のホームページを作る制作会社も、相手が会社であれば、BtoBマーケティングの対象になります。
営業との違いは、受け持つ場面にあります。営業は、個別の相談に応じ、提案や見積もりを通じて受注を目指します。マーケティングが受け持つのは、その手前と、その外側です。手前とは、営業がまだ会っていない相手に自社を知ってもらい、問い合わせや資料請求につなげることです。外側とは、一度は話をしたものの「いまは検討していない」と言われ、そのままでは連絡が途切れてしまう相手との関係を続けることです。
小さな会社では、営業とマーケティングを同じ人が兼ねていることも多いでしょう。その場合も、分けて考えるのは担当者ではなく、場面です。商談の場面と、商談の前後の場面では、やることが違うからです。受注したあとの次の注文や紹介は、残しておいた記録をもとに、営業とマーケティングの両方で続けます。
いまBtoBマーケティングが求められるのは、仕事を頼む側の担当者も、まず自分で調べて、候補を絞ってから問い合わせてくることが増えていると言われるからです。展示会や紹介で会える相手だけを待っていると、検索で調べている段階の相手には、自社の名前が届きません。BtoBマーケティングは、営業が会う前の相手と、いまは買わない相手との関係を受け持ち、話を聞きたいと言った相手を営業につなぐ取り組みです。
BtoCマーケティングとの違い
BtoCは、Business to Consumerの略で、個人を相手にする取引です。同じマーケティングでも、相手が会社か個人かで、買うと決めるまでの進み方が違います。
| BtoB(会社が相手) | BtoC(個人が相手) | |
|---|---|---|
| 買うと決める人 | 担当者・上司・決裁者・使う部署など、何人も関わる | 本人か家族 |
| 決めるまでの時間 | 長い。予算は年度や期ごとに組まれる | 本人の判断で、短期間に決められる場合がある |
| 選ぶときに見ること | 費用に見合うか、社内に説明できるか | 好み、価格、利便性など |
| 取引の続き方 | 一度で終わらず、次の注文や紹介につながる | 再購入や定期購入などにつながる場合がある |
| マーケティングの役目 | 連絡を続け、担当者が社内で説明できる材料を渡す | 知ってもらい、その場で買ってもらう |
※一般的な傾向(筆者の整理)。業種や商材によって違う
決める人が多く、予算を組む時期もあるので、BtoBでは「いまは予算がない」と言われた相手の検討が、半年後や1年後に始まることがあります。そのあいだ連絡が途切れていると、検討が始まったときに、自社は思い出されにくくなります。
もう1つの違いは、話している相手と、決める人が違うことです。担当者は、自分が納得するだけでなく、上司や決裁者に説明して、社内の了承を取る立場にいます。私が関わった仕事でも、先方の担当者から「社内の稟議を通すための、強い理由がほしい」と相談されたことがあります。そのときは、何が課題で、何が原因で、どう直すのかを資料の頭の1枚にまとめ、その1枚だけを抜き出しても説明が通じる形にしました。
担当者が欲しいのは、自社の良さの説明よりも、社内で「なぜこれに予算を使うのか」を説明できる材料です。商談で渡す資料に限らず、商談の前に送る記事や事例でも同じです。BtoBでは、決めるまでに何人もが関わり、時間もかかるので、一度接点を持った相手と連絡を続けることと、担当者が社内で説明に使える材料を渡すことが、BtoCより大きな役目になります。
BtoBマーケティングの流れ:集める・記録する・育てる・営業に渡す
BtoBマーケティングの取り組みは、見込み客が自社を知ってから商談になるまでの流れに沿って、4つの段に分けると整理しやすくなります。集める、記録する、育てる、営業に渡す、の4つです。
この章では、段ごとに、詳しく解説した記事を案内します。全部を読む必要はありません。第6章で自社が詰まっている段を1つ選び、その段の記事を1本読めば、最初の1つに手を付けられます。
1つ目の「集める」は、展示会や問い合わせ、資料請求などで、自社に関心を持った見込み客の連絡先を手に入れる段です。一般には、リード獲得(リードジェネレーション)と呼ばれます。リードは、自社の商品やサービスに関心を持った見込み客のことです。どの施策から始めるかと、集めた施策どうしの比べ方は、BtoBのリード獲得の記事で解説しています。
関連記事BtoBのリード獲得とは?施策の選び方と、成果の比べ方
2つ目の「記録する」は、集めた名刺や問い合わせを、1か所の表に書いておく段です。誰が、いつ、何を頼みたいと言い、どうなったかを、受けた人でなくても見られるようにします。記録する項目の決め方と、エクセルやスプレッドシートの1枚の表で始める方法は、CRMの記事で解説しています。表からHubSpotのような顧客管理のツールへ移す方法は、HubSpotの記事で解説しています。
3つ目の「育てる」は、「いまは検討していない」と言われた相手と連絡を続け、相手の検討が始まったときに相談してもらえるようにする段です。ナーチャリング(リードナーチャリング)と呼ばれます。断られた理由で相手を分け、次に連絡する日を決める方法はナーチャリングの記事で、メルマガで記事や事例を送り始める手順はメールマーケティングの記事で、資料請求など同じ行動をした人に順番にメールを送る方法はステップメールの記事で解説しています。
4つ目の「営業に渡す」は、「話を聞きたい」「見積もりがほしい」と言った相手に、すぐ連絡して商談に進める段です。どこまで進んだ相手を営業に渡すかの線と、誰がいつまでに連絡するかを、先に決めておきます。集めた見込み客の中から商談に進める相手を選ぶことを、一般にはリードクオリフィケーションと呼びます。育てる段と営業に渡す段のあいだで、電話やメールで連絡を続け、話を聞きたい相手を見極めて営業につなぐ役割を、インサイドセールスと呼ぶこともあります。小さな会社では、営業が兼ねることがほとんどです。
一般には、記録することを1つの段に数えず、CRMなどの道具の話として扱うことが多いです。この記事で1つの段に立てたのは、少ない人数の会社では、名刺や問い合わせが受けた人の手元に残ったままになりやすいからです。そこで流れが止まると、育てる段も、営業に渡す段も始まりません(筆者の整理)。
ホームページは、どの段にも関わります。集める段では、問い合わせや資料請求の入口になります。育てる段では、メールで送る記事や事例の置き場になります。ホームページの問い合わせを増やす手順は、ホームページの問い合わせを増やす記事で、記事を積み上げて接点を持つ方法は、オウンドメディアの記事で解説しています。BtoBマーケティングは、集める・記録する・育てる・営業に渡すの4つの段がつながって、初めて商談になります。
BtoBマーケティングの主な施策
BtoBマーケティングでよく使われる施策を、4つの段に分けて並べると、次のようになります。
| 段 | 主な施策 | 使う道具の例 | 読む記事 |
|---|---|---|---|
| 集める | 展示会、セミナー・ウェビナー(オンラインのセミナー)、SEO・記事(検索で見つけてもらう)、検索広告、比較サイト、取引先からの紹介、DM(郵送の案内)・電話 | ホームページの問い合わせフォーム、資料のダウンロード | BtoBのリード獲得、ホームページの問い合わせを増やす、オウンドメディア |
| 記録する | 名刺と問い合わせを1か所の表に書く、月に1回数える | エクセル・スプレッドシート、CRM、SFA | CRM、HubSpot |
| 育てる | メルマガ、ステップメール、記事や事例を送る、電話で状況を聞く、セミナー | 配信ツール、MAツール | ナーチャリング、メールマーケティング、ステップメール |
| 営業に渡す | 渡す線を決める、すぐ連絡する、商談 | CRM、SFA | BtoBのリード獲得 |
道具の名前もいくつか出てきます。CRMは、お客さんとの関係を続けるための考え方と、そのための記録を1か所にまとめる道具のことです。SFAは、商談の進み具合を管理して、営業を支える道具です。MAツールは、メールの配信や、メールを開いた、リンクを押したといった反応の記録など、育てる段の作業を自動にする道具です。実際の製品では、CRMを土台に、SFAやMAの機能を足していく形が多く、1つの製品にまとまっていることもあります。
施策を一覧で見ると、全部やらなければいけないように見えます。ただ、どの施策も、4つの段のどこかを受け持つ手段です。新しい施策を足す前に、その施策がどの段を受け持つのかを見ると、自社で足りていない段と、すでに足りている段が分かります。展示会への出展を増やしても、詰まっているのが記録する段なら、増えた名刺は、また手元に積まれるだけです。施策は4つの段のどこかを受け持つ手段なので、足す前に、どの段の施策かを見ます。
成果は、段ごとに数を決めて見る
BtoBマーケティングの成果として最後に見るのは、受注の数です。ただ、BtoBでは検討に時間がかかるので、受注が出るのを待っていると、何がうまくいっているのかを判断するまでに何か月もかかります。そこで、途中の段ごとに、数える数を決めておきます。
| 段 | 数えるもの | どこで数えるか |
|---|---|---|
| 集める | 入ってきた名刺・問い合わせ・資料請求の数 | 受けた名刺・メール・電話のメモ(表の外も含めて並べる) |
| 記録する | そのうち、表に書いてある数 | 表の行数 |
| 育てる | いまは買わないと言われた相手のうち、次に連絡する日が書いてある数 | 表の「次の連絡」の列 |
| 営業に渡す | 決めた線(話を聞きたい、見積もりがほしいなど)を越えた数と、そのうち期限までに連絡した数 | 表の「経過」と「次の連絡」の列 |
| 結果 | 商談になった数(打ち合わせか見積もりに進んだ数)、受注した数 | 表の「経過」の列と、受注か失注かを書く列 |
営業に渡す段の、決めた線を越えた数は、BtoBのリード獲得の記事で「基準を満たした数」と呼んだものに当たります。施策ごとに分けて数えると、どの施策から商談につながる相手が来ているかも分かります。最後の目標(受注の数など)を数で決めたものをKGI、そこに向かう途中の数に置いた目標をKPIと呼びます。受注の目標をどこに置くかはKGIの記事で、途中の数に目標を置き、3か月ごとに比べる方法はKPIの記事で解説しています。
メールの開封率や、ホームページのアクセス数も、途中の数としてよく使われます。ただ、それだけを見ていると、開かれた数やアクセスが伸びていても、その先で誰も連絡していない、という状態に気づけません。最後に見るのは受注の数で、途中は、段ごとに数える数を決めて、月に1回書き足して比べます。
何から始めるか:施策を選ぶ前に、流れのどこで詰まっているかを見分ける
BtoBのリード獲得の記事では、集める段の中でどの施策から始めるかを、その商材を探している人がすでにいるかで決めました。ここで考えるのは、その1つ手前、4つの段のどこから手を付けるかです。
見分けるときは、次の4つの問いに「はい」か「いいえ」で答えます。
- 集める:入ってくる名刺や問い合わせは、受けたい仕事の数に足りているか
- 記録する:入ってきた相手は、全部1か所の表に書いてあるか
- 育てる:いまは買わないと言われた相手に、次に連絡する日が決まっているか
- 営業に渡す:「話を聞きたい」「見積もりがほしい」と言った相手に、決めた期限までに連絡し、商談に進んでいるか
答えるときは、記憶ではなく、直近3か月に入ってきた名刺と問い合わせを並べて数えます。
1つ目は、月に何件受注したいかと、入ってきた相手の何件に1件が受注になっているかから、必要な数を出して比べます。たとえば、月に2件受注したく、10件に1件が受注になっているなら、必要なのは月に20件です。受注までに半年ほどかかる商材なら、何件に1件かは、直近3か月ではなく1年ほどさかのぼって出します。記録が無くて分からないときは、思い出せる範囲の受注と、そのころの問い合わせの数から当たりを付けます。足りていなければ「いいえ」です。集める段から手を付けます。施策の選び方はBtoBのリード獲得の記事で、ホームページからの問い合わせを増やす手順はホームページの問い合わせを増やす記事で解説しています。
2つ目は、名刺や問い合わせのうち、表に書いてあるものを数えます。担当者の机にある名刺、営業個人のメールに届いた相談、電話のメモは、表に無いものとして数えます。1件でも表の外にあれば「いいえ」です。1枚の表を作るところから始めます。表の作り方は、CRMの記事で解説しています。
2つ目を数えるとき、営業が1人だけの会社では、並べた名刺と問い合わせに出てこない相談や約束が、その人の記憶とメールにだけ残っていることがあります。その人に、明日から2週間休んだら連絡できなくなる相手を書き出してもらい、表と突き合わせて表の外の相手を見つける方法は、営業の属人化の記事で解説しています。
3つ目は、表の中で失注や保留になっている相手のうち、次に連絡する日が月や日付まで書いてあるものを数えます。空いている相手がいれば「いいえ」です。断られた理由で相手を分け、次に連絡する日を決めます。分け方は、ナーチャリングの記事で解説しています。
4つ目は、「話を聞きたい」「見積もりがほしい」と言った相手に、誰がいつ連絡したかと、そのうち何件が商談になったかを表で見ます。この記事では、打ち合わせか見積もりに進んだ相手を、商談になったと数えます。連絡する期限そのものが決まっていなければ、「いいえ」です。誰がいつまでに連絡するかを決めます。期限どおりに連絡しているのに、商談になった相手がほとんどいないときも「いいえ」です。商談にならなかった相手の「経過」を読み返し、相手がどういう状況だったのか(資料だけが欲しかった、まだ予算が決まっていなかった、など)と、どの施策から来た相手かを見ます。まだ予算が決まっていなかった相手が多ければ、いまは買わない相手として、育てる段で次に連絡する日を決めます。1つの施策から来た相手だけが商談にならないなら、その施策から来る相手か、連絡の仕方を見直します。期限の決め方と、施策ごとの見直し方は、BtoBのリード獲得の記事で解説しています。
「いいえ」が2つ以上あるときは、まず2つ目の記録する段から見ます。表の外にいる相手は、3つ目と4つ目の数に入らず、次に連絡する日も決められないからです。記録する段が「はい」なら、営業に渡す、育てる、集めるの順に、流れの後ろの段から手を付けるのがよいと私は考えています。集めた相手を受け取る側が回っていないと、集める段を強くしても、増えた名刺や問い合わせは、記録されないか、連絡されないまま流れ落ちてしまうからです。広告やSEOで見込み客を集めても、記録して連絡する体制がなければ、集めた分の多くは商談になりません。なお、SEOや記事のように効くまでに数か月かかる施策は、後ろの段を直すのと並べて始めてかまいません。ホームページの問い合わせを増やす記事でも、同じ考え方で順番を決めています。いくつもの段を同時に直そうとせず、今月手を付ける1つを決めます。
施策を選ぶ前に、4つの問いで詰まっている段を見つけ、「いいえ」が2つ以上なら流れの後ろの段から、ただし記録する段が「いいえ」ならそこから、1つだけ手を付けます。 4つとも「はい」なら、詰まっている段はありません。受けたい仕事の数を上げるときに、集める段を強くしても、増えた分を受け取れる状態です。
例として、CRMの記事やナーチャリングの記事でも取り上げた、急ぎの小口試作を請け負う架空の部品加工会社に、4つの問いを当ててみます。CRMの記事では、最近の問い合わせ7件を1枚の表にまとめました。
| 問い | この会社の答え | そう答えた理由 |
|---|---|---|
| 1 集める | はい | 検索、取引先からの紹介、展示会から問い合わせが入っている(この例では、受けたい数に足りているとする) |
| 2 記録する | いいえ | 問い合わせ7件は表にあるが、展示会で名刺を交換しただけの相手は、表の外にある |
| 3 育てる | いいえ | 失注したD社・E社・F社の「次の連絡」の欄が空いている |
| 4 営業に渡す | はい | 問い合わせには、その日のうちに見積もりか返事を出すと決めていて、7件とも見積もりの相談に進んだ(受注3件・失注3件・保留1件) |
※架空の会社の例。CRMの記事・ナーチャリングの記事の表と同じ会社
「いいえ」は2つ目と3つ目です。記録する段が「いいえ」なので、最初の1つは、展示会の名刺を同じ表に1行ずつ足すことです。何を頼みたいかを聞けていない相手は、その欄を空けておきます。表にそろったら、次に3つ目に移ります。失注や保留の相手は断られた理由で分け、名刺だけの相手は、まだ状況が分からない相手として分けて、それぞれ次に連絡する日を書きます。この会社の相手を4つに分け、それぞれ次に連絡する時期と送るものを決めた表は、ナーチャリングの記事で紹介しています。
関連記事ナーチャリング(リードナーチャリング)とは?いまは買わない見込み客に、次に連絡する時期を決めて育てる方法
専任がいない会社は、1枚の表と月1回の見直しで回す
詰まっている段が分かっても、それを直し、続ける人がいなければ、流れはまた止まります。専任の担当者がいない会社では、仕事を次のように分けると、営業や総務と兼ねていても回せます。
- 書く:名刺や問い合わせを受けた人が、その日のうちに表へ1行書く。見積もりや連絡をした人も、その場で書き足す
- 見直す:月に1回、決めた1人が表を見直す。4つの問いに答えて数を書き、今月連絡する相手を拾い、先月決めた期限で連絡できたかを見る。拾った相手に連絡するのは、見直した人か、その相手を受けた人か。どちらかをその場で決めて表に書く
- 商談する:「話を聞きたい」「見積もりがほしい」と言われたら、営業がすぐ連絡する。見直す人が営業を兼ねていれば、そのまま対応する
月1回の見直しは、情報の整理や改善のための時間です。新しい問い合わせや商談の希望には、見直しの日を待たずに対応します。
用意する表は2つです。1つは、問い合わせ1件・名刺1枚を1行に書く顧客の表で、受けた人がその日のうちに書きます。この記事で「1枚の表」と呼んでいるのはこちらで、顧客の記録を1か所にまとめるための表です。何の列を置くか、受けた人がいつ書くかは、CRMの記事で解説しています。もう1つは、月に1回、4つの問いの数を1行ずつ書いていく見分け表(第8章)で、見直す人だけが使います。どの段の数が動いたかを月ごとに比べられます。
関連記事CRMとは?意味と、ツールを選ぶ前に決める記録の項目【テンプレート付き】
連絡する相手に送るのは、担当者が社内で説明に使える記事や事例です。選び方は、ナーチャリングの記事で解説しています。
表で回すのが苦しくなったら、ツールに移します。目安は、連絡する日を見落とすようになったら顧客の記録をCRMのツールへ移し、送る相手が多くて手で回らなくなったらMAツールを考える、です。ツールに移すときも、表で続けてきた列と、誰がいつ書くかの分け方を、そのまま持っていきます。HubSpotの無料のツールで記録から始める方法は、HubSpotの記事で解説しています。
自社で決めることと、外に頼めることも分けておきます。どの段で詰まっているかを見分けること、最初の1つを選ぶこと、表に書く項目、連絡する期限と担当者は、自社で決めます。会社の事情を知っているのは自社だけだからです。一方、問い合わせの受け皿になるホームページの作り直し、CRMやMAツールの設定と表の取り込み、送る記事やメールの制作は、外に頼めます。専任がいなくても、受けた人がその日に表へ書き、決めた1人が月に1回見直す形なら、BtoBマーケティングは回せます。
詰まっている段のどの作業を外に頼むかと、頼む先を選ぶときに何を聞くかは、マーケティング支援会社の記事で解説しています。
BtoBマーケティングの「詰まり」見分け表(テンプレート)
第6章の4つの問いに答えて、最初の1つを決め、月に1回の見直しで数を書き足していけるように、見分け表(Excel)を用意しました。ファイル1つに、次の4つのシートが入っています。問い合わせ1件・名刺1枚を1行に書く表は、CRMの記事のテンプレートを使い、この見分け表には段ごとの数と答えだけを書きます。
- 使い方:最初に答える順番と、月に1回の見直しで書くこと
- 1_見分け表:4つの問いごとに、確かめる数の数え方、「いいえ」のときの最初の1つ、読む記事が入っている。上に数えた期間と受けたい仕事の数を、問いごとに数えた「数」と「答え」(はい/いいえ)を書き、いちばん下に今月手を付ける1つと見直す人を書く
- 2_月1回の見直し:月ごとに、4つの問いの数と、商談・受注の数、その月に手を付ける1つを1行ずつ書く
- 3_記入例:架空の部品加工会社の記入例
最初に「1_見分け表」で手を付ける1つを決め、そのあとは月に1回、「2_月1回の見直し」に1行ずつ書き足していけば、どの段の数が動いたかが見えてきます。
BtoBマーケティングの詰まり見分け表(Excel)をダウンロードする
※登録や個人情報の入力は要りません。クリックすると、Excelのファイル(BtoBマーケティングの詰まり見分け表.xlsx)がダウンロードされます。
ARROWSのマーケティングコンサルティング
第7章で、どの段で詰まっているかを見分けることと、最初の1つを選ぶことは、自社で決めると書きました。決めるのは自社ですが、ARROWSのマーケティングコンサルティングは、その判断を一緒に考える相手として頼めます。専任の担当者がいない会社でも、いまの体制でできることから決めていきます。
問い合わせは来るのに、商談につながらない。第6章でいえば、育てる段や営業に渡す段で詰まっているときも、ご相談いただけます。育てる段にあたる、すぐには商談にならない相手への連絡も、メールやCRM・MAツールで続けます。集める段のSEO・AI検索対策や広告も含めて、その時期に必要なものを、1つの契約と1つの月額の中で組み合わせます。ホームページや記事の制作は、別にお見積もりします。
毎月のご報告では、実行した内容と数の動きをお見せし、次の月に手を付ける1つを一緒に考えます。
まとめ
BtoBマーケティングは、会社どうしの取引で、見込み客を集め、記録し、いまは買わない相手とも連絡を続け、話を聞きたい相手を営業につなぐまでの流れをつくる取り組みです。施策を増やす前に、自社の流れが、集める・記録する・育てる・営業に渡すのどこで詰まっているかを見分け、そこから1つ手を付けます。
まずは、直近3か月に入ってきた名刺と問い合わせを並べて数え、4つの問いに「はい」か「いいえ」で答えてください。「いいえ」の段を1つ選び、その段の記事を読んで手を付けたら、翌月から、月に1回の見直しで数を書き足していきます。




