会社概要とは、会社の事実を確かめるページ
会社概要は、社名・所在地・代表者・設立・事業内容など、会社の基本的な事実をまとめたページです。「会社情報」「企業情報」と呼ばれることもあります。
初めて取引する会社の名前を聞いたとき、多くの人はその会社のサイトを開き、会社概要を見ます。確かめたいのは、この会社が本当にあるのか、どこにあるのか、誰が代表で、何をしている会社なのか、です。求職者も、応募の前に同じページを見ます。金融機関が、口座の開設や融資の相談のときに見ることもあります。
会社概要のページで見られるのは、上手な文章よりも、書かれていることが事実かどうかです。書かれた社名や所在地は、登記や名刺、求人票など、別の場所に書かれた会社の情報と突き合わされることがあります。そこで食い違いがあると、それだけで「この会社は大丈夫だろうか」と思われてしまいます。
よく似たものに、営業のときに渡す会社案内(パンフレットや資料)があります。違いは、誰が、何のために開くかです。
会社概要のページは、サイトのメニューやページ下部(フッター)から1回で開ける場所に置きます。見る人は、会社の事実を確かめたくて来ているので、探させないことが大事です。
基本として載せる項目と書き方
会社概要に載せる基本の項目は、多くの会社で共通しています。項目ごとに、書き方の要点があります。
社名(商号) は、登記されているとおりに書きます。「株式会社」を「(株)」と略さず、社名の前に付くか後ろに付くかも登記に合わせます。英語の表記があるなら、併記しておくと、海外の取引先にも伝わります。
代表者 は、役職と氏名を書きます。役職は「代表取締役」のように、登記上の表記に合わせます。
所在地 は、登記されている本店の所在地と同じ場所を、訪ねてくる人や郵便が迷わないよう、郵便番号から建物名と階数まで書きます。「1-2-3」と「1丁目2番3号」のように番地の書き方が分かれるところは、会社の中でどちらか一方に決めておきます。本社と工場、営業所のように場所が複数あるなら、それぞれを分けて書きます。
設立 は、登記の設立年月日を書きます。西暦と和暦は、ページの中でどちらかにそろえます。
資本金 は、登記されている額を書きます。増資や減資をしたら、そのたびに直します。載せたくない場合の扱いは、第5章で説明します。
事業内容 は、定款の目的(会社が何をするかを定めたもの)をもとに、何をしている会社かが分かる具体的な言葉で書きます。「トータルサポート」「ソリューションの提供」のような言葉では、見た人が何をしている会社かを確かめられません。「金属部品の切削加工」「住宅のリフォーム工事」のように、具体的な名詞で3〜5項目にまとめると伝わりやすくなります。
連絡先 には、電話番号や問い合わせフォームなど、確実に連絡が取れる手段を書きます。
架空の会社を例に、記入例を示します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社みなと精機(Minato Seiki Co., Ltd.) |
| 代表者 | 代表取締役 山田太郎 |
| 所在地 | 〒000-0000 〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号 みなとビル2階 |
| 設立 | 1998年4月1日 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 事業内容 | 産業機械の金属部品の切削加工/試作品の製作/小ロットの部品の組み立て |
| 電話番号 | 000-000-0000 |
| お問い合わせ | お問い合わせフォーム(リンク) |
※社名・人名・所在地・電話番号はすべて架空のもの
社名、代表者、所在地、設立、資本金は、どれも登記されている事実です。登記事項証明書(法務局が発行する、登記の内容を証明した書面)は、登記所(法務局)の窓口で、手数料を払えば誰でも請求できます(商業登記法第10条)。最寄りの登記所で、ほかの地域の会社のものも取れます(法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」)。つまり、会社概要に書いたこれらの項目は、見た人が登記と照らし合わせて確かめられます。
だから、社名・代表者・設立・資本金は、自分で考えて書くのではなく、登記事項証明書と照らし合わせながら書き写すのが確実です。所在地は、登記と同じ場所を建物名まで書きます。事業内容は、定款の目的を参考にしつつ、読む人に伝わる具体的な言葉に置き換えます。
足すと確かめやすくなる項目
基本の項目のほかに、足すと見た人が確かめやすくなる項目があります。どれを足すかは、見に来る人が何を確かめたいかで決めます。
- 許認可・登録:建設業の許可、宅地建物取引業の免許など。名称だけでなく、許可番号や登録番号まで書く。番号があれば、見た人が公的な名簿で確かめられる
- 資格:会社や社員が持っている資格。何人が持っているかも書ける
- 適格請求書発行事業者の登録番号(インボイスの登録番号):国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで、番号から事業者を確かめられる
- 法人番号:法人ごとに指定されている13桁の番号。国税庁の法人番号公表サイトで、番号から社名と所在地を確かめられる
- 従業員数:「2026年4月時点」のように、いつの数かを添える
- 主な取引先:載せる前に、相手の会社に了承をもらう
- 取引銀行
- 沿革:設立から今までの主な出来事
- 代表のあいさつ・経営理念
- 地図・写真:所在地の地図、社屋や作業の様子の写真
このうち、許認可や登録番号のように、公的な名簿で確かめられるものは、見た人にとってとくに確かな材料になります。載せるときは、それが自社の名義かを確かめます。グループ会社や前の会社の名義の許可を自社のもののように載せると、番号から名簿を引いた人にはすぐ分かります。
取得した許認可や資格、受賞などで、会社概要に載せていないものがないかも見直します。持っているのに載せていないものの探し方は、ホームページリニューアルの記事で紹介しています。
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個人事業主の会社概要
個人事業主が自分のサイトに事業者の情報を載せるときも、考え方は同じです。ただ、法人とは欄がいくつか変わります。
まず、ページの名前です。会社ではないので、「事業者情報」「運営者情報」「事業概要」などの名前にしても構いません。
屋号と氏名:屋号を使っているなら屋号を書き、あわせて事業者の氏名を書きます。会社ではない個人事業主は、屋号に「株式会社」など、会社であると誤認されるおそれのある文字を使えません(会社法第7条)。
開業:法人の「設立」にあたる欄です。開業届に書いた開業日を書きます。
資本金:個人事業には資本金がないので、欄を置きません。
法人番号:個人事業主には指定されません。インボイスの登録をしているなら、その登録番号は書けます。個人事業主の登録番号は「T」と13桁の数字で、マイナンバーは使われていません。なお、登録番号を載せると、国税庁の公表サイトでその番号から氏名が確認できます。屋号や事務所の所在地が公表されるのは、本人が申し出た場合だけです。
所在地:自宅で仕事をしている場合、自宅の住所をどこまで載せるかが悩みどころになります。これは次の第5章で扱います。
将来、法人にすると、会社概要のほとんどの欄が変わります。社名は登記した商号に、代表者は役職つきに、開業は設立に変わり、資本金と法人番号の欄が加わります。インボイスの登録番号も、法人の番号は「T」と法人番号の形なので、個人のときの番号とは別になります。個人事業のときのページを継ぎ足しで直すより、登記事項証明書をもとに項目を組み直したほうが、変更漏れを防げます。
載せたくない情報をどう扱うか
会社概要に載せたくない情報があるとき、まず確かめたいのは、その情報の表示が法律で求められる場面かどうかです。求められる場面でなければ、見る人が何を確かめたいかと、載せたくない理由とを比べて決めます。
どちらの場合も、欄だけ残して「非公開」と書くのは避けたいところです。見た人は必要な情報を確かめられず、かえって不安を与えることがあります。載せないと決めた項目は、欄ごと置かないか、書ける範囲で書きます。
自宅の住所 は、自宅で仕事をしている個人事業主がいちばん悩む項目です。ここで分かれ目になるのは、通信販売をしているかどうかです。通信販売をしていなければ、特定商取引法で住所の表示が求められる場面ではありません。通信販売をしているなら表示が必要で、省くには条件があります。まず、通信販売をしている場合から見ていきます。
通信販売の広告(Webサイトなら、商品やサービスを紹介し、それを見た人が申込みできるページ)には、事業者の氏名(名称)・住所・電話番号を表示することになっています(特定商取引法第11条、同法施行規則第23条)。Webサイトでは、この表示を「特定商取引法に基づく表記」などのページにまとめるのが一般的です。消費者庁は、広告の画面に「特定商取引法に基づく表記」や「会社概要」のような分かりやすいリンクがあれば、表示の場所にたどり着きやすい方法に当たる、としています(「通信販売広告について」)。
通信販売に当たるかどうかは、商品の種類ではなく、申込みをどう受けるかで決まります。Webサイトやメール、電話などを通じて、商品や有償のサービスの申込みを受け付けているなら、通信販売に当たる可能性があります。
通信販売をしている場合でも、表示を省く方法が示されています。消費者庁の「通信販売広告Q&A」は、請求があれば遅滞なく書面やメールで提供する旨を広告に書き、実際に遅滞なく提供できる体制を整えていれば、住所や電話番号の表示を省略することも可能、としています。「遅滞なく」について、同じQ&Aは〈販売方法等の取引実態に即して、申込みの意思決定に先立って十分な時間的余裕をもって提供されること〉としています。書いておくことと、実際にすぐ出せることの2つがそろって、初めて省けます。
同じQ&Aは、個人事業主がバーチャルオフィスの住所を表示する場合について、その運営会社との合意があり、運営会社が本人の住所と電話番号を把握していることなどを条件に、表示の要請を満たすと考えられる、としています。一方で、私書箱は住所の表示にはならないとしています。また、通信販売の表示では、屋号だけでなく氏名も必要です。
事業者どうしの取引だけなら関係ない、と考えたくなるところですが、そう単純ではありません。特定商取引法には、営業のために結ぶ契約を対象外とする定めがあります(第26条)。ただし消費者庁の通達は、相手が事業者や法人であれば一律に対象外になるわけではない、としています。分かれ目は、相手が誰かではなく、契約が営業のためのものかどうかです。事業者名での申込みでも、主に個人や家庭で使うためのものなら、原則として対象になるとしています。個人からの申込みも受けるなら、とくに注意が必要です。
通信販売をしていない場合は、下で触れるほかの法律に当てはまらなければ、見る人にとっての確かめやすさと比べて、どこまで書くかを決めます。たとえば、市区町村までにとどめる、という書き方があります。ただ、取引先が訪ねてくる、書類を郵送してもらうといった仕事なら、結局は番地まで伝えることになります。そのときに初めて伝えるのか、会社概要に書いておくのかの違いです。
このほか、別の法律で住所の表示が求められる場合もあります。特定電子メールに当たる広告・宣伝のメールを送るなら、特定電子メール法で、送信者の氏名や名称、住所などを表示することになっています。許認可が必要な業種では、それぞれの法律で表示する事項が決まっていることがあります。載せないと決める前に、自社に当てはまるものがないかを確かめておきます。判断に迷う場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
資本金 を載せたくない場合も、資本金の額は登記されていて、登記事項証明書は誰でも請求できます。会社概要に載せなくても、確かめたい人は確かめられる情報です。載せないと決めたら、欄ごと置きません。個人事業には、そもそも資本金がありません。
従業員数 は、登記される事項ではありません。載せるなら時点を添えます。載せないなら、欄ごと置きません。求職者は、会社の規模を知る手がかりとして従業員数を見ることが多いので、採用に力を入れている会社は載せておきたい項目です。
代表者の氏名 は、伏せないほうがよい項目です。見た人が会社を確かめる手がかりの1つで、法人なら登記にも載っています。
会社概要に載せないと決めた項目も、正しい値は社内で持っておきます。名刺や契約書など、番地まで要る場所があるからです。その持ち方は、次の第6章で扱います。
書いたら登記と照らし合わせ、ほかの場所をそろえる
会社概要を書き終えたら、公開する前に、2つのことをします。登記と照らし合わせることと、会社の情報が載っているほかの場所をそろえることです。
まず、登記との照らし合わせです。登記事項証明書をもとに、社名・所在地・代表者・設立・資本金を1項目ずつ確かめます。社名・所在地・法人番号の3つは、国税庁の法人番号公表サイトでも公表されています。このサイトは誰でも無料で使えるので、取引先も、ここで会社の名前や所在地を調べているかもしれません。社名は「株式会社」の位置や旧字体の漢字まで、所在地は同じ場所を指しているかを見ます。
個人事業主には、登記も法人番号もありません。照らし合わせる先は、開業届の控えと、インボイスの登録をしていれば公表サイトの氏名の表記です。ほかの場所をそろえる考え方は、法人と同じです。
次に、ほかの場所をそろえます。会社の情報は、会社概要のページだけに書かれているわけではありません。
| 会社の情報が載っている場所 | 誰が作ることが多いか |
|---|---|
| 会社概要のページ・サイトのフッター | 総務・制作会社 |
| 名刺・封筒 | 総務・印刷会社 |
| 会社案内(パンフレット・資料) | 営業・制作会社 |
| 見積書・請求書(インボイスの登録番号も) | 経理 |
| 求人票・採用サイト | 人事・求人媒体 |
| 特定商取引法に基づく表記(通信販売をしている場合) | ECの担当者 |
| 契約書のひな形 | 総務・法務 |
| Googleビジネスプロフィール・業界のポータルサイト | 営業・広報 |
これらは、それぞれ別の時期に、別の人が作っています。だから、所在地や電話番号、代表者が変わったとき、直す人が把握している場所だけが直り、一部が古いまま残ります。名刺は新しい住所なのに、求人票は前の住所のまま、ということが起きます。
そこで、会社の情報を1つの一覧にまとめ、これを基準にします。この基準にする一覧には、第5章で会社概要に載せないと決めた項目や、番地まで含めた住所も、正しい値をすべて書いておきます。会社概要のページには、そこから出すと決めた範囲だけを出します。名刺や請求書、求人票などの場所も、この一覧から写します。
あわせて、上の表のように、会社の情報が載っている場所と、それを作る担当も書き出しておきます。何かが変わったら、まず基準にする一覧を直し、次に会社概要のページと、書き出した場所を1つずつ直していけば、直し漏れに気づけます。
画面に出ない構造化データ(検索エンジンが会社の情報を読み取りやすくする書き方)も、会社概要と同じ中身にしておきます。自分で直せない場合は、サイトを作った制作会社に、会社概要と同じ中身になっているかを確かめてもらいます。社名や住所の書き方をサイトの中でそろえる理由と、Googleが会社の情報をどこから読み取っているかは、コーポレートサイトを解説した記事で扱っています。
関連記事コーポレートサイトとは?目的と載せるページ、Googleに会社を伝える役割まで
いつ見直すか
会社概要は、一度作ったら終わりではありません。見直すタイミングは2つあります。
1つは、会社の事実が変わったときです。移転したら所在地と電話番号、地図を、代表者が交代したら代表者の欄と代表のあいさつを、増資や減資をしたら資本金を直します。許認可を更新したら、番号が変わっていないかを確かめます。
もう1つは、決算のあとなど、毎年決めた時期です。変わったときに直すつもりでいても、従業員数や沿革のように、少しずつ変わる項目は直し忘れやすいからです。従業員数のように変動する項目には、「2026年4月時点」のように基準日を添えます。いつの情報かが分かれば、見た人も数字の新しさを判断できます。
どちらのタイミングでも、直す順番は同じです。基準にする一覧を先に直し、会社概要のページと、第6章で書き出した場所を直していきます。
会社概要を直したあと、直した内容が公開されているページに出ているかの確かめ方と、検索結果が変わるまでの流れは、ホームページの更新の記事で解説しています。
関連記事ホームページの更新方法は?自分で直せる範囲と、直したあとに確かめること
ARROWSのコーポレートサイト制作
ARROWSのコーポレートサイト制作では、会社概要を、会社の事実を確かめるページとしてつくります。社名・所在地・代表者・事業内容などをまとめ、ほかのページやフッターに載せる社名や所在地の表記もそろえます。
会社概要に載せた情報は、構造化データとしても、制作の初めから組み込みます。第6章で、画面に出ない構造化データも会社概要と同じ中身にしておく、と書きました。それを、作る段階でそろえておく形です。この作業は制作費に含みます。
公開したあとも、お知らせや実績のページを足すたびに、社名・所在地・事業内容などの表記が会社概要とそろっているかを確かめます。これは、保守・運用のサービス(別料金)で行います。
まとめ
会社概要は、見た人が会社の事実を確かめに来るページです。だから、社名や所在地などは登記上の事実に基づいて書き、事業内容は具体的で分かりやすい言葉に整理します。そして、会社の情報を1つの一覧にまとめて基準にし、会社概要のページにも、名刺や請求書、求人票などにも、そこから写します。
まずは、登記事項証明書を手元に置いて、現在の会社概要と1項目ずつ照らし合わせてみてください。そのうえで、会社の情報が載っている場所を書き出しておくと、次に何かが変わったときに、どこを直せばよいかがすぐ分かります。




