EFOとは、フォームを開いた人を途中で帰さないこと
EFOは、Entry Form Optimizationの略で、入力フォームの最適化を指します。問い合わせや資料の請求、申し込みのフォームを、最後まで入力して送ってもらいやすくする取り組みです。
問い合わせのフォームを開く人は、サイトに来た人の中でも、頼むか問い合わせるかの手前まで来ている人です。ここで入力をやめられると、検索や広告で集めた人を、最後の1ページで逃すことになります。
EFOで直すのは、主に次の4つです。
- 聞く項目(何を、いくつ聞くか)
- 入力の手間(打ちやすさ、入力の手助け)
- エラーの伝え方(どこが、なぜ違うのかが分かるか)
- ほかのページへのリンク(入力の途中で、別のページへ移ってしまわないか)
EFOで直すのは、フォームを開いてから送信するまでのあいだです。 サイトに来る人を増やす話や、来た人がフォームのページまで進むかどうかは、その手前の話になります。ホームページ全体で、問い合わせがどこで止まっているかを見分ける方法は、問い合わせを増やす方法の記事で解説しています。送信のあとの自動返信や案内は、EFOの範囲からは外れますが、フォームの続きとして第6章で紹介します。
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フォームで止まる理由
フォームを開いた人が途中でやめる理由は、入力する人の側から見ると、おおよそ次のどれかです。
| 止まる理由 | 入力する人に起きていること | 直す場所 |
|---|---|---|
| 項目が多い | どこまで書けば終わるのか分からない | 聞く項目 |
| 何を書けばよいか分からない | 相談内容の欄に入力例がなく、何から書けばよいか分からない | 聞く項目(入力例・注記) |
| エラーの場所が分からない | 送信ボタンを押したあとにエラーがまとめて出て、どこを直せばよいか分からない | エラーの伝え方 |
| 入力が消える | 戻る・再読み込みで、書いた内容がなくなる | 入力の手間 |
| スマホで打ちにくい | 数字を打つのにキーボードを切り替える | 入力の手間 |
| 書くのが不安な項目がある | 電話番号を書くと、営業の電話が来そう | 聞く項目(注記) |
| 途中でほかのページへ移る | 入力の途中でリンクを押し、戻ってこない | ほかのページへのリンク |
このうち「書くのが不安な項目がある」は、聞く側からは見えにくい理由です。電話番号のように、聞く理由が分かりにくい項目は、何のために聞くのかを一言添えるだけでも、入力する人の受け取り方が変わります。
止まる理由の多くは、入力する人の側から見たときの手間と不安です。 聞く側が「これくらいは書いてくれるだろう」と思っている項目でも、入力する人には重く見えることがあります。
少ない人数の会社が先に直すところ
EFOの施策は数多く挙げられます。ただ、問い合わせが月に数件の会社で、全部を一度に直す必要はありません。先に直すのは、次の順です。
1つ目は、聞く項目です。返事をするのに要らない項目は外します。残す項目には「必須」「任意」を表示し、入力が必要かどうかをはっきり示します。
2つ目は、エラーの伝え方です。送信ボタンを押したあとにまとめてエラーを出すのではなく、次の欄に移ったときに、誤りがある欄のすぐ下に出します。どこが違うのか、どう直せばよいのかが、その場で分かるようにします。
3つ目は、スマホでの打ちやすさです。電話番号の欄では数字のキーボードが、メールアドレスの欄ではメールアドレスを打ちやすいキーボードが出るようにします。ブラウザが覚えている名前やアドレスを、自動で入れられるようにもしておきます。
4つ目は、ほかのページへのリンクです。入力の途中で別のページへ移ってしまわないよう、フォームのページには、入力に要らないリンクを置かないようにします。同意に要るプライバシーポリシーへのリンクは、別のタブで開くようにします。
あわせて、入力したあとに確認の画面をはさまず、送信したらすぐ完了の画面に進むようにします。
ARROWSのお問い合わせのフォームも、この4つを押さえて作りました。聞くのは、会社名、お名前、メールアドレス、電話番号、ご相談内容の5つと、プライバシーポリシーへの同意だけです。確認の画面は置いていません。フォームのページには、ほかのページと共通のヘッダーやフッターを置かず、ロゴと最低限の情報だけにしました。何かを知らせたいときは、送信のあとのページに置きます。
ここから先に挙げる入力の手助けは、全部を一度に入れなくてもかまいません。上の4つが押さえられていれば、手助けはあとから1つずつ足せます。
ARROWSのフォームでは、入力の手助けとして次のものを入れました。
- 必須の項目のうち、何項目まで入力したかの表示
- 次の欄に移ったときのエラーの表示
- 電話番号とメールアドレスの全角を半角に直す処理
- 相談内容の残りの字数
- 入力の途中でページを離れようとしたときの確認
再読み込みや「戻る」の操作で入力が消えないよう、ご相談内容を除く入力の途中の内容を、ブラウザに一時的に残す形にもしました。残した内容は、ブラウザのタブを閉じると消えます。ご相談内容を残さないのは、会社や共用のパソコンで、次に使う人に見えてしまうおそれがあるからです。
項目と文言は、自社にしか決められません。誰から何を聞けば返事ができるかを知っているのは、問い合わせに答える側だからです。エラーの出し方やキーボードの切り替えは、フォームの作りに手を入れる作業なので、サイトを作った会社に頼むことが多くなります。
4つのうち、まず聞く項目とエラーの伝え方から直します。
迷惑な送信への対策を足しても、入力の手間は増やさない
フォームを公開すると、迷惑な送信が届くようになります。機械が自動で送ってくるものと、人が手で送ってくる営業の2種類です。
対策としてよく足されるのが、画像の中から信号機を選ばせるような確認です。ただ、これは入力する人に、もう1つ作業を足すことになります。フォームで止まる理由を減らそうとしているのに、迷惑な送信を防ぐために、入力する人が途中でやめる理由を増やしてしまいます。
ARROWSのお問い合わせのフォームでは、入力する人の画面にはできるだけ何も足さず、裏側で機械の送信を止める形にしました。入れているのは、次のものです。
- 人には見えない入力欄を1つ置く。機械はそこも埋めるので、入力があったら、送信が完了したように見せて、実際には受け付けない
- 画面を開いてから数秒で送られてきたものは、人が入力したものではないと見て捨てる
- Cloudflareの「Turnstile」という確認の仕組みを使う。画面には小さな確認の枠が出るが、多くの人は何も押さずに通れる
- 同じ相手から短い時間に何度も送られたら、受け付けない
- 使い捨てのメールアドレスや、「@」より後ろがメールを受け取れない宛先になっているアドレスは、その場で画面に断りの文を出す
見えない入力欄は人の画面には出ないので、ふつうに入力する人が埋めることはまずありません。5つの項目を数秒で埋めて送ることも、人の手ではまずできません。本物の問い合わせがこの2つで捨てられることは、ほとんどないと考えています。
画面に断りの文が出るのは、メールアドレスの確認だけです。これだけを画面に出すのは、本物の問い合わせでも、アドレスを打ち間違えて受け取れない宛先になっていることがあり、その場で伝えれば直してもらえるからです。会社やプロバイダーで使っているアドレスは、そのまま通ります。
ただし、人が手で送ってくる営業の問い合わせは、機械の送信を止める対策では止まりません。送っているのが人だからです。営業を止めようとして確認を厳しくすると、本物の問い合わせまで受け付けられなくなるおそれがあります。
そこで、営業らしい送信は止めるのではなく、届いたあとに見分ける形にしています。営業によく使われる言い回しが入っている送信や、URLがいくつも書かれている送信には、届く通知メールの件名に、営業の可能性を示す印を付けます。受信箱で件名の印ごとに振り分ければ、本物の問い合わせを先に読めます。営業かどうかの判断が要る送信は、すぐには顧客管理に入れず、最長30日別の場所に置いておき、本物の問い合わせだと確かめられたら入れる形にしました。顧客管理のツールを使わず、受信箱だけで受けている会社なら、この別の置き場までは要りません。件名の印での振り分けだけでも足ります。
迷惑な送信への対策は、入力する人の画面ではなく、裏側に足します。 裏側の対策を入れるのは、サイトを作った会社に頼む作業です。自社でするのは、受信箱で件名の印ごとに振り分けることと、営業なのに印が付いていない送信や、営業ではないのに印が付いた送信を見つけたら、その送信をサイトを作った会社に伝えることです。
ツールを入れる前に、どの項目で止まっているかを数える
EFOのツールは、入力の手助けや、どの項目で入力が止まったかを分析する機能をまとめて入れられる道具です。多くは月額で、半年からの契約を求めるものもあります。問い合わせが月に数件のフォームなら、ツールを入れる前に、いまのフォームがどの項目で止まっているかを数えるのがよいと私は考えています。
数え方は、フォームの中の操作を、アクセス解析のGoogleアナリティクス4(以下GA4)に送る形です。ARROWSのお問い合わせのフォームで、止まっている項目を見るのに使うのは、次の3つです。
- 入力を始めた
- 項目ごとに、入力を終えた(送るのは項目の名前だけで、入力した中身は送らない)
- 送信が成功した
項目ごとの数を並べると、どの項目のあとで入力が止まっているかを考える手がかりになります。ご相談内容の入力を終えた人が少なければ、その欄に入力例を足す、といった直し方を考えられます。
GA4には、入力を始めたことを自動で数える設定もありますが、項目ごとの数と送信の成功は、設定を足さないと取れません。
送信の完了は、完了のページが表示された回数ではなく、サイトの仕組みが送信を受け付け、「受け付けた」という応答をフォームに返した時点で数えます。完了のページの表示で数えると、再読み込みなどで、実際の送信より多く数えてしまうことがあるからです。広告の計測のように、完了のページで数える方法もよく使われますが、項目ごとの数と並べて見るなら、送信が成功した時点で数えるほうがずれません。ただ、この数には営業の送信も入ることがあるので、本物の問い合わせの件数は受信箱で数えます。
数える設定は、サイトを作った会社に頼む作業です。自社でするのは、月に1回ほど項目ごとの数を見て、止まっている項目を1つ選ぶことです。
問い合わせが月に数件のうちは、送信まで進む割合も月ごとに大きく揺れます。1か所直したら、数字を見る日を決め、その日に結果を見てから、次の1か所に手を付けます。1か所ずつ直し、見る日を先に決める進め方は、ホームページの改善の記事で解説しています。
ツールを入れる前に、どの項目で止まっているかを数えます。 止まっていそうな項目の見当がつけば、まず項目を1つ直して様子を見るか、入力の手助けまでまとめてツールで入れるかを選べます。項目を直しても同じところで止まり続けるときや、入力の手助けを一度にいくつも足したいときが、ツールを比べる時期だと私は考えています。
送ったあとまでがフォーム
送信のボタンを押したあとも、フォームの続きです。
1つは、送った人に届く自動の返信です。ARROWSのお問い合わせのフォームでは、自動返信のメールに、ご相談内容の本文を載せていません。届いたことと、いつまでに返事をするかだけを書いています。他人のメールアドレスで送られたとき、その宛先に、関係のない文章が届いてしまうのを防ぐためです。フォームが、迷惑メールを送る道具に使われないようにする、という意味もあります。
もう1つは、送信のあとに表示するページです。ARROWSでは、このページから、打ち合わせの日程をそのまま選べるようにしています。問い合わせを送った人にとっての次の一歩を、同じ流れの中に置いておく形です。相談の内容を読んでから返事をしたい会社なら、いつまでに返事をするかを、このページにも書いておくだけで足ります。入力の途中で知らせなくてよいお知らせも、フォームのページではなく、このページに載せます。送信のあとのページに何を、どの順で載せるかは、サンクスページの記事で解説しています。
制作会社に頼むなら、1行ずつ書いて渡す
第3章から第6章で「サイトを作った会社に頼む」とした作業は、まとめて書いて渡せます。たとえば、次のように1行ずつ伝えます。
- 相談内容の欄に、何を書けばよいか分かる入力例を出してほしい
- エラーは送信ボタンを押す前に、その欄のすぐ下に出してほしい
- 電話番号とメールアドレスは、全角で入れても半角に直してほしい
- 迷惑な送信の対策は、画像を選ばせる形ではなく、入力する人に余計な操作を求めない形で入れてほしい
- 入力を始めた、項目ごとに入力を終えた、送信が成功した、をGA4で数えられるようにしてほしい。入力した中身は送らないでほしい
- フォームのページから共通のヘッダーとフッターを外し、確認の画面をなくしてほしい
- 自動返信のメールには、相談内容の本文を載せないでほしい
頼まれる側は、何を聞くかまでは決められません。ここが決まっていないと、作る側は前と同じ項目のまま直すことになります。頼む前に、聞く項目と、そのうちどれを必須にするかを、自社で決めておきます。
ARROWSの問い合わせフォーム改善
第3章と第4章で紹介した入力の手助けと迷惑な送信への対策は、ほかの会社のサイトにも入れられます。ARROWSの問い合わせフォーム改善では、サイトを作り直さずに、いまの問い合わせフォームだけを入れ替えます。対象は、WordPressのサイトと、PHPが動くレンタルサーバーのサイトです。
届いた送信は、3つに分けます。迷惑だと言い切れるものは受け取らずに止め、営業らしいものは顧客管理に入れずに別の場所に置き、それ以外はいつもどおり受け付けます。別の場所に置いたものは担当者に知らせるので、本物の問い合わせだったときは、通知のメールのリンクから受け付けに戻せます。止めた数、別の場所に置いた数、戻した数は、週に1回、集計のメールで届きます。
入力のしやすさも、あわせて整えます。第3章で挙げたような入力の手助けをフォームに組み込み、第5章のように、どの欄まで入力が進んだかをGA4で数えられるようにします。
言い回しだけでは見分けにくい営業の送信を、AIが本文を読んで振り分ける仕組みも、オプションで加えられます。
まとめ
フォームを直すときは、入力する人の手間を減らし、迷惑な送信への対策は裏側に足し、ツールを入れる前に、どの項目で止まっているかを数えます。
まずは自社のフォームの項目を書き出して、返事をするのに要らない項目に線を引くところから始めてください。




