求人に応募が来ない主な理由
求人に応募が来ない理由として、よく挙がるものを並べると、次のようになります。
| 応募が来ない理由 | どういう状態か | 止まる段 |
|---|---|---|
| 出している場所が合っていない | 来てほしい人が、その求人サービスや場所を見ていない | 見られていない |
| 職種名(求人のタイトル)が、探される言葉と違う | 社内の呼び方で職種名を書いていて、求職者の検索に出てこない | 見られていない |
| 給与や休日が、近くの求人より見劣りする | 同じ地域・同じ職種の求人と並べたときに選ばれない | 見られているのに応募されない(一覧に給与が出るなら、開かれない原因にもなる) |
| 仕事の内容が分からない | 何をする仕事か、1日の仕事の流れが思い描けない | 見られているのに応募されない |
| 応募の条件が厳しすぎる | 経験や資格の条件で、応募できる人が少ない | 見られているのに応募されない |
| 会社のことが分からない | 会社名で検索しても、確かめられる情報が出てこない | 見られているのに応募されない |
| 誰に来てほしいかが決まっていない | 求める人がはっきりせず、合わない人の応募が集まる | 応募はあるが合う人が来ない |
| 応募への連絡が遅い | 返事や面接の日程が決まる前に、ほかの会社に決まる | 応募はあるが合う人が来ない |
このほかに、職種と地域による違いもあります。同じ職種でも、人を探している会社が多い地域では、求職者1人を何社もの求人が取り合うことになり、応募は集まりにくくなります。
どの理由も、よく聞くものです。ただ、全部に一度に手を打つことはできません。給与を上げ、求人サービスを増やし、求人票も書き直すと、費用も手間もかかります。そのうえ、何が効いたのかも分からなくなります。表の右の列が、その理由で求職者が止まる段です。応募が来ない理由はいくつもありますが、理由ごとに求職者が止まる段が違うので、まず自社がどの段で止まっているかを確かめます。
理由は、どの段で止まっているかで見分ける
求職者が求人に応募するまでには、いくつかの段があります。求人サービスや検索結果に表示された求人を見つけ、気になった求人を開きます。内容を読んで応募し、その後、会社と連絡を取って面接に進みます。応募が来ないときは、このどこかで止まっています。
止まる場所は、大きく分けると次の3つです。
- 見られていない:求人が一覧に表示されていない、または表示されても開かれていない
- 見られているのに応募されない:求人は開かれているが、応募まで進まない
- 応募はあるが合う人が来ない:応募は来るが、求める人ではない。または面接に来ない
ここでいう「見られている」は、求人が開かれて、中身が読まれていることです。一覧に出ただけでは、まだ見られたとは数えません。
段によって、当てはまる理由も、直す場所も違います。一覧に出ていない求人の給与を上げても、求職者の目に入らないので応募は増えません。反対に、よく開かれているのに応募がない求人を、別の求人サービスにも出すと、同じ理由で応募されない求人が増えるだけです。応募が来ないときは、「見られていない」「見られているのに応募されない」「応募はあるが合う人が来ない」の、どの段で止まっているかを先に見分けます。
求人サービスの管理画面で、表示・閲覧・応募の数を見る
どの段で止まっているかは、数字で確かめられます。求人サービスの多くは、求人を出した会社が使う管理画面で、求人が一覧に表示された回数、求人が開かれた回数(閲覧の数)、応募の数を見られます。数字の名前はサービスで違い、表示の回数が無いサービスもあります。無ければ、閲覧と応募だけで比べます。
見方は、前の段からどれだけ進んでいるかです。表示に対する閲覧の割合(閲覧÷表示)と、閲覧に対する応募の割合(応募÷閲覧)を出し、表示から順に、先月や、ほかの出している場所と比べて落ちているところを探します。表示や閲覧が0で割合を出せないときは、次の分け方のとおり、0になっている数字から段を見ます。
- 表示の回数が少ない:一覧や検索結果に出る回数が少ない。「見られていない」段
- 表示はあるのに、閲覧が少ない:一覧に出ても開かれていない。これも「見られていない」段です。職種名や給与など、一覧で目に入る部分で、開くほどの求人だと思われていません
- 閲覧はあるのに、応募が0か少ない:「見られているのに応募されない」段
- 応募はあるのに、面接に来ない、または合う人がいない:「応募はあるが合う人が来ない」段
何件なら少ないかの目安は、職種や地域、求人サービスによって大きく違います。そのため、ほかの会社の数字と比べるより、自社の数字どうしで比べます。同じ求人の先月と今月、または出している場所どうしです。出している場所が1つで先月の数字も残っていないときや、先月と数字が変わらないときは、次の章のように検索して、近くに並ぶ求人と見比べます。
たとえば、工場の作業スタッフを募集している部品加工会社(架空)が、ある月の数字を書き出すと、次のようになります。
この例では、有料の求人サービスは閲覧が60回あるのに応募が0件です。見られているのに応募されない段で止まっています。無料の求人サービスは、表示が150回にとどまっており、求職者の目に触れる機会が少ない状態です。閲覧の割合は有料も無料も2%台で差が無いので、無料で足りないのは表示の回数そのものです。応募は無料も0件ですが、閲覧が3回では、応募されないのが求人票のせいかはまだ分かりません。閲覧が数回しかないうちは、見られていない段として、表示を増やすほうを先にします。同じ「応募が来ない」でも、直す場所が違います。
古い月の数字を、あとから見られないサービスもあります。月に1回、表に書き写しておくと、直したあとに比べられます。求人を直す前の数字が残っていないと、直したあとに応募が増えても、何が効いたのかが分かりません。
知り合いの紹介や店頭の貼り紙のように、数字の取れない出し方もあります。その場合は、応募してきた人に「この求人を何で知りましたか」と聞いて、出し方ごとに応募の数を書いておきます。表示・閲覧・応募の数を月ごとに書き出し、前の段からどれだけ進んでいるかを、自社の先月や、出している場所どうしで比べます。
自社の職種と地域で検索して、求人がどこに出るかを見る
数字だけでは、見られていない理由までは分かりません。そこで、求職者と同じように検索してみます。
求職者は、「製造スタッフ 求人 ○○市」のように、職種と地域で検索することが多いです。同じ言葉で、Googleと、求人を出している求人サービスの両方で検索し、次の3つを見ます。
- 自社の求人が出てくるか:出てこなければ、見られていない段の原因はここにあります
- 何番目に出てくるか:ずっと下のほうなら、一覧で目に入りにくくなっています
- 近くに並ぶ求人と比べて、どう見えるか:給与、休日、仕事の内容、職種名を、並んでいる求人と見比べます
Googleで職種と地域を検索すると、検索結果の上のほうに、求人がまとめて表示される枠が出ることがあります。Googleしごと検索と呼ばれるもので、そこに自社の求人が出ているかも見ておきます。
3つ目は、見られているのに応募されない段を確かめるときにも使えます。求職者は、近くの求人と並べて見比べています。自社の求人だけを読んでいると分からない見劣りが、並べると分かります。職種名が社内の呼び方のままで、ほかの会社とは違う言葉になっていることもあります。自社の職種と地域で検索して、求人が出てくるか、何番目か、近くの求人と比べてどう見えるかを確かめます。
見られていないときは、出す場所と載せ方を直す
ここからは、止まっている段ごとに、最初に直す1か所を説明します。3つの段で、見る数字と直す1か所をまとめると、次のようになります。
求人が見られていない段で止まっているなら、求人票の中身より先に、求人が求職者の目に入るようにします。表示が少ないのか、表示はあるのに開かれないのかで、直すところが分かれます。
表示が少なく、検索しても自社の求人が出てこないなら、職種名が探される言葉と違うか、出している場所が、来てほしい人の探す場所と合っていないかのどちらかです。どちらかは、出している求人サービスの中で検索すると分かります。求人に書いた職種名そのもので検索すると出てくるのに、求職者が使う言葉では出てこないなら、職種名を直します。求職者が使う言葉で出てくるなら、出す場所を見直します。どちらで検索しても出てこないなら、掲載が終わっていないか、勤務地の設定が合っているかを先に確かめます。
出す場所を見直すときの候補には、ハローワーク、求人検索のサービス、採用管理のツール、自社の採用ページなどがあり、無料で出せるところも多くあります。来てほしい人がどこで求人を探しているかは、入社して間もない社員に聞くと分かります。応募があれば、応募してきた人にも聞きます。その場所に出し直すか、出す場所を1つ足します。有料の求人サービスや採用の代行は、無料で出せる場所に出し直し、翌月の表示の数を前の月と比べても増えていないと分かってから考えます。Googleしごと検索の枠に出ていないなら、そこに載せることも検討します。載せる方法は、Googleしごと検索の記事で解説しています。
表示はあるのに開かれていないなら、一覧で見える部分を直します。職種名を、社内の呼び方ではなく、求職者が検索するときに使う職務の名称にします。一覧に出る給与や勤務地が、近くの求人と比べて見劣りしていないかも見ます。見られていない段では、表示が少ないなら、出す場所と職種名のどちらが原因かを検索で見分けて直し、表示はあるのに開かれないなら、一覧で見える職種名と給与を直します。
無料で求人を出せる場所と、出し方ごとの違い、自社の状況に合わせた選び方は、求人の無料掲載の記事で解説しています。
関連記事求人の無料掲載とは?出せる場所と「無料」の中身、掲載したあとに会社が守ること
見られているのに応募されないときは、求人票の中身と、会社名で検索したときの情報を直す
求人が開かれているのに応募がないなら、読んだ人が応募を決められずにいます。まず直すのは、求人票の中身です。どこから直すかは、検索して近くの求人と見比べたときに、見劣りしていたところからです。見劣りが見つからなければ、仕事の内容から書き足します。
仕事の内容は、具体的に書きます。何を作る仕事か、1日の流れ、最初に任せる作業、一緒に働く人の数などです。給与や休日、働く時間は、実態に合わせて具体的に書き、読んだ人が入社後の収入や働き方を思い描けるようにします。応募の条件は、必須のものと、あればよいものを分けて書きます。
求人票を直しても変わらないときに見るのは、求人を見た人が会社のことを確かめる先です。私が関わった仕事で、「求人サービスの求人から、会社のサイトへは直接リンクできない」と説明しかけ、言い切る前に、いくつかの求人サービスの規約やヘルプを読んで確かめたことがあります。確かめたサービスの多くには、会社のサイトを載せる欄がありました。一方で、応募をサービスの中で受ける決まりのものや、本文にURLを書いてもリンクにならないものもありました。求人から会社のサイトへの道は、あるけれど細い。リンクを置ける場所が限られている、ということです。
そのため、求人を見て気になった人は、会社名で検索して確かめることがよくあります。そのとき採用ページが出てこない、または求人と条件が食い違っていると、応募を迷う理由が増えます。会社名で検索したときに何が出てくるかも、一度確かめておきます。会社名で検索されたときに出てくる採用ページの整え方は、採用広報の記事で解説しています。見られているのに応募されない段では、仕事の内容と条件を具体的に書き、会社名で検索したときに確かめられる情報があるかを見ます。
職種名の付け方と、求人票の項目ごとの書き方は、求人票の書き方の記事で解説しています。
関連記事求人票の書き方とは?書く項目、職種名と仕事内容の書き方、書いた条件の扱い
応募はあるが合う人が来ないときは、選ばれる理由と、連絡の速さを見直す
応募は来るのに、求める人ではない。または、応募はあったのに面接に来ない。この段で止まっているなら、誰に来てほしいかが求人で伝わっているかと、応募のあとの対応を見ます。
合う人が来ないときは、求人が誰に向けて書かれているかを確かめます。誰にでも当てはまる書き方だと、自社に合うかを考えずに応募する人が集まり、合う人が埋もれます。来てほしい人を1人思い浮かべ、その人が自社を選ぶ理由を、求人の中で伝えます。
面接に来ないときは、応募のあとの連絡を見直します。求職者は、同じ時期にほかの会社にも応募していることが少なくありません。最初の連絡が数日後になると、そのあいだにほかの会社の面接が決まってしまいます。応募が来たら、応募を受け取ったことをその日のうちに伝え、面接の日程の候補を先に示します。応募はあるが合う人が来ない段では、誰に来てほしいかと、その人に選ばれる理由を決め、応募への連絡はその日のうちに入れます。
来てほしい人に自社が選ばれる理由を何から見つけるかは、採用ブランディングの記事で解説しています。いまいる社員に、なぜ入ったのか、なぜいまも働き続けているのかを聞くところから始める方法です。
関連記事採用ブランディングとは?社員の経験から「選ばれる理由」を見つけ、一貫して伝える
求人の止まっている段を確かめるテンプレート
この記事の手順で、止まっている段を確かめられるように、テンプレート(Excel)を用意しました。ファイル1つに、次の4つのシートが入っています。
- 使い方:書く順番と、それぞれのシートで何を書くか
- 1_記録:月ごと、出している場所ごとに、表示・閲覧・応募・面接・採用の数を書く。閲覧の割合と応募の割合は自動で計算される
- 2_段を見る:3つの段ごとに、止まっているときの数字の様子と、最初に直す1か所
- 3_記入例:架空の部品加工会社の記録と、段の見方の例
月に1回、管理画面の数字を「記録」に書き写し、「段を見る」で止まっている段を確かめてから、直す1か所を決めます。
求人の段を確かめるテンプレート(Excel)をダウンロードする
※登録や個人情報の入力は要りません。クリックすると、Excelのファイル(求人の段を確かめるテンプレート.xlsx)がダウンロードされます。
ARROWSの採用サイト制作
自社の採用ページが無い、または会社名で検索した人にしか見られていないなら、第5章で出す場所の候補に挙げた自社の採用ページも選べます。ARROWSの採用サイト制作では、採用サイトと一緒に、求人の掲載から応募の受け付け・管理までを1つにまとめた求人システムもつくれます。求人票はGoogleしごと検索に対応させるので、第4章で見た、検索結果に求人がまとめて出る枠にも、自社の求人が表示される対象になります。求人を見て会社名で検索した人が確かめる仕事の中身や会社の考えも、採用サイトで伝えます。求人サービスとも併用できます。
面接に来ないときに効くのは、応募への連絡の速さでした(第7章)。連絡を入れるのは会社ですが、届いた応募は一覧で管理でき、応募のあとの連絡を滞りなく進められるようにします。
Googleしごと検索に対応させた求人システムを公開したあとは、求人ごとの見られた数と、Googleしごと検索・自社のサイト・求人サービスといった入口ごとの応募の数を、会社ごとのデータベース(カルテ)にまとめます(取得できる範囲で、データの自動収集に同意いただいた場合)。どの入口からの応募がいちばん多いかが分かるので、第3章のように、出している場所どうしを比べるときの材料になります。
まとめ
求人に応募が来ない理由はいくつもありますが、自社がどれに当たるかは、求職者がどの段で止まっているかで分かります。見られていないのか、見られているのに応募されないのか、応募はあるが合う人が来ないのかです。
まずは、求人サービスの管理画面を開いて、先月の表示・閲覧・応募の数を書き出してみてください。あわせて、自社の職種と地域で検索し、求人がどこに出るかを見ます。止まっている段が分かったら、その段の1か所から直し、翌月に、表示・閲覧・応募の数を前の月と比べます。




